夕食会・午餐会感想レポート
平成27年10月午餐会「これからの内視鏡医療~内視鏡はどこまで進化しているのか」
夕食会・午餐会感想レポート
10月20日午餐会
今回の午餐会は、田尻久雄氏による、内視鏡医療に関するお話でした。
その歴史は、1950年、東京大学とオリンパスの共同で開発された胃カメラに始まり、10年から15年の周期で、ファイバースコープ、電子内視鏡等、新技術ができ、10年前にNBIができたそうです。特にアジアでは胃がんを患う方が多く、早期胃がん診断が重要で、治療までできる内視鏡の需要が高まったようです。
がんは、血管に変化をもたらし、色、病変、輪郭等、模様の異質さから診断するそうですが、新技術により、総じて診断が容易になったそうです。現在、細胞レベルの診断が可能で、1?2ミリのがんが発見でき、より客観的に、またマクロからミクロの診断へ変化し、その治療は低侵襲で、患者への負担も軽く、医療費も削減可能とのことでした。
今後、カプセル内視鏡が一般化しますと、大腸、胃、全身が検診可能となり、ロボット技術も介護や手術等医療の分野で貢献する事が期待されているそうです。
日本は内視鏡の世界市場を占め、技術基盤があるものの、欧米の研究も進んでおり、新しい研究を支える、統計など専門家の育成や、長期展望、医療制度改革、産官学の連携、また、アイデアと熱意を持った起業家精神が大切と締めくくられました。貴重な専門的な画像を駆使され、NASAの歴史との対比も興味深く、がん検査、治療がより身近に感じられた講演で、世界に誇る技術であることを認識しました。
(京大・経、関 登鯉子)