『未来の自分に投資！　20代で学ぶお金の成功法則』
第6回目：キャリアと資産形成の相乗効果

みなさん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの水野崇（水野総合FP事務所 代表）です。
本コラムでは、「お金」をテーマに、これからのあなたの成功につながるヒントをお届けしています。

キャリアデザインは、単なる仕事選びではなく、将来的な収入や生活の安定、さらには資産形成にも直結します。
特に20代はキャリアの基盤を築く大切な時期であり、日々の仕事への取り組み方が、将来の成果を大きく左右します。

そこで最終回となる今回は、キャリアと資産形成の相乗効果について考えていきましょう。

人の幸せの基準は年々多様化しています。働き方にしても、従来のように終身雇用を前提としたキャリアプランだけでなく、転職や副業、フリーランスなど、さまざまな選択肢が広がっています。それでも私たちは、人生の多くの時間を仕事に費やしており、キャリアの充実は自分らしく生きるための大切な土台となります。

20代でキャリアを考えるときは、ライフプランも同時に見据えることが大切です。結婚、出産・育児、住宅購入などのライフイベントには、まとまった資金が必要になります。独身時代は自分の裁量でお金を使えますが、家族を持つと考え方や優先順位も変わります。

仕事とプライベートの両立を実現するためには、将来を見据えた資産形成が欠かせません。働いて得た収入を貯蓄や投資で計画的に運用することで、生活の安定と心の余裕を生み出すことができます。それが、キャリアと資産形成のあいだに“好循環”をもたらす第一歩となります。

お金だけでなく、自分自身の中にも“資産”は存在します。スキル、経験、人脈といった「キャリア資産」は、一見目に見えない無形のものですが、長い目で見れば確実にお金を生み出す力を持っています。

学生時代の就職活動では、自分の強みやスキルを棚卸しした経験があると思います。社会人になってからも、同じように定期的に「キャリアの棚卸し」を行うことが大切です。どんな経験を積み、どんなスキルが身についたかを言葉にして整理することで、自分の“市場価値”を客観的に把握できます。

とくにおすすめなのは、1年に一度、自分のキャリア資産を記録しておくことです。1年間でどんな成果を上げたのか、どんな人脈を得たのかを確認するだけでも、成長実感が高まります。さらに、転職や独立といった新しいステージに進む際にも、大きな武器となります。キャリア資産を積み重ねることで、自分の働き方や生き方の選択肢が広がり、結果的に有形資産（収入・貯蓄）を増やすことにもつながります。

20代から自己投資でキャリア資産を育てることは、長期的な仕事の安定と成功に直結します。特に変化の激しい時代においては、常に学び続け、新しいスキルを身につけていく姿勢が求められます。

以下に、無形資産の代表的な例を挙げてみましょう。
　

• ・専門スキル（営業力、プログラミング、データ分析、語学など）
• ・汎用スキル（プレゼンテーション、問題解決力、マネジメントなど）
• ・知識の蓄積（書籍、講座、セミナー、社会人大学院などを通じた学びなど）
• ・資格（キャリアに関連する国家資格や専門資格など）
• ・人間関係（同業者や異業種とのネットワークなど）
• ・信頼関係（同僚・上司・部下との信頼の積み重ね）
• ・自己ブランディング（SNSや発信を通じて専門性を磨く）
• ・健康（体調管理、メンタルケア、生活リズムの安定）

こうした無形資産は、すぐにお金になるものではありませんが、長期的に見れば確実にキャリアの土台を強くします。自分の強みを見極め、目標を明確にして磨き続けることで、将来の選択肢を増やす力になります。

20代で「学び」「つながり」「健康」を意識的に育てていくことが、無形資産の形成には最も効果的です。これらが充実すれば、有形資産（収入や貯蓄）も自然と増え、人生全体の豊かさへとつながっていきます。

将来のライフイベントに備えて、資産形成を計画的に進めよう。
有形資産を生み出すために、定期的なキャリアの棚卸しを行おう。
無形資産を育て、自分の可能性を広げよう。

キャリアもお金も、一朝一夕では築けません。けれども、20代から少しずつ積み重ねていくことで、確かな安心と豊かさを手に入れることができます。

6回にわたってお読みいただき、誠にありがとうございました。
みなさんのさらなるご成長とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

水野 崇（CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士）
https://mizunotakashi.com/fp-profile/