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「27歳問題~人生の転機~に向けて考えてみた」
第1回:27 歳問題とは? ─なにがどう問題なのか─

今回は、人生のさまざまな局面で現れる『わたしはどうなっちゃうの?』を考えるコラムを企画しました。

担当はPTパーシムさん(仮名)。医療関係に造詣が深く、他のメディアでも積極的に発信をされています。少し先の未来を予測し、みなさんに起こりうる事柄を紹介してもらいます。

第1回:27歳問題とは? ─なにがどう問題なのか─

みなさんこんにちは。
突然ですが、これからの進路は決まりましたか? 進学? 就職? 世界放浪?
選ぶ道はいろいろあると思います。

共通しているのは、来年の3月に卒業する、そして歳をとっていく、ということではないでしょうか?

本コラムでは「未来からさかのぼって考えてみる」ことで、「いまを充実させる」ための視点や方法を紹介したいと考えています。
選ぶのも決めるのもみなさん自身です。一緒に考えるお手伝いをします。
もちろん参考になるなら、私の苦い経験も紹介します。では、はじめていきましょう。

27歳ってどんな時期?

27歳は、学部卒で就職すると5年目(修士なら3年目)です。あるデータによれば、東証プライム上場企業に勤務する27歳の平均年収は650万円(ちなみに会社員(全世代)の平均年収は458万円)。

仕事を覚えるために必死に取り組むべき期間を越えて、生活の基盤がおおよそ安定してくるころです。社会人として順調にステップアップしているはずなのに、一体どんな壁があるのでしょうか?

人間の成長の過程で出会ういろいろな壁(問題)がありますよね。たとえば・・・

  • 小1の壁:生活リズムと環境が変化
  • 小4の壁:友達との関係や勉強法が大きく変わる
  • 中1の壁:○をつける教育から×を付ける教育(顕著な減点法)へ
  • 高1の壁:科目の細分化と大学入試への繋がり

これまでの『壁』はもっぱら学業に関することなので、七大学に在学中のみなさんは、難なく乗り越えてきたかもしれません。けれども27歳問題は、今までの壁とは性質や問題の深さが違います。学業を離れてそれぞれの人生が動き動き始めたあとの、極めて個人的なことばかりなのですが、27歳のころに多くの方々がこれまで感じたことのない変化や違和感に吸い寄せられていきます。

その大きさや深刻度はひとそれぞれ異なりますが、具体的にどんなことが起こる可能性があるのかを見ていきたいと思います。ちなみに私は27歳で思い切って職場を変えてしまい、27歳問題の地雷原へと自ら踏み込んだ実体験者です(彼女にもフラれました)。

 

27歳で直面する可能性のある問題とは?

1.キャリア関連

前述のとおり27歳はいわゆる『5年目』社員です。「若手」でもなくまだ「ベテラン」でもない時期。
ある程度の成果と評価が得られるようになり、これまでの道のりとこられからの展望について思いを巡らせると、「このままでいいかな?」「別の道もあるのでは?」と考えがちです。

  • 会社側から見ると『ちょっと慣れてきたからって、モチベーション低下なんて早い!』
  • 社員側から見ると『同じサイクルを4回経験。同じことを繰り返しても学びは無い!』
  • 転職サイトからは『27歳は転職の大チャンス。基本動作OK+高ポテンシャルで良い!』

ここまでの4年間を精進してきた方ほどこの葛藤に苛まれます。私見ですが、私たちはここまで、中学・高校・大学と3-4年で環境が変わる制度に慣れすぎていて、5年というスパンに違和感を感じやすくなっているのかもしれません。

2.結婚

 

平均初婚年齢の罠という言葉があります。
2020年の人口動態調査によれば、平均初婚年齢は女性29.4歳・男性31.0歳。初婚年齢は概ね30歳以上なのだから、20代のうちは「まだ早いかな」と思いがちです。

ただし実態としては「初婚する男性の半分は29歳までに結婚」おり、同じように女性の初婚中央値年齢も28歳となっています。結婚までに要する助走期間を考えると、27歳は平均ペースのスタート地点。もっと先の話だったはずのことが、じんわりと期限が迫って我に返るころかもしれません。

※結婚に最適な時期は人それぞれですが・・・目安となるデータを紹介しています。

3.身の回りの変化

徹夜で遊ぶ自信のあった体力、頼りにしていた両親の状況、友人や同級生との関係など、経年・加齢により誰にでも生じる変化が、いずれもポジティブ方向ではなく、ネガティブ/マイナス方向へ進んでいく傾向が強まります。

本格的な『人生の下り坂』はまだまだ先だとしても、最初の緩やかなスロープが意外と身に染みたりして。大したことはないはずの変化が、じんわりと心身に影響を及ぼすことがあります。

まとめ なんだかいろいろ起こりそう。ではどうするの?

次回のコラムでは、27歳問題の解決策をみなさんと探っていきたいと思います。
一緒に考えていきましょう!

by PTパーシム

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