~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」
最終回:仕事とは? そしていつかあなたも上司に
~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」
みなさん、こんにちは。
卒業が近づいてきたみなさんと「これから出会う『上司』を考えよう」というコラムも、いよいよ最終回です。
今回は、仕事の本質と働く意味について考えながら、未来のあなたの姿を想像してみましょう。
最終回:仕事とは? そしていつかあなたも上司に
1.仕事の本質とは?
一般的に、仕事の本質は「他者や社会に価値を提供し、その対価を得る活動」だと言えるでしょう。
1)価値提供と対価
多くの仕事は、誰かの困りごとやニーズを解決することから生まれます。例えば、お腹が空いた人においしい料理を提供したり、移動に不便を感じている人に交通手段を提供したりすることです。この「価値提供」に対して、私たちは報酬(対価)を受け取ります。これは、私たちが生きていく上で必要な生活費を得る大切な手段であると同時に、社会とのつながりを生み出す営みでもあります。
2)個人の成長と自己実現
仕事は単にお金を稼ぐためだけではありません。仕事を通じて、私たちは新しいスキルを身につけたり、困難を乗り越える精神力を養ったり、多様な価値観に触れたりすることで、大きく成長することができます。自分の能力を発揮し、目標を達成することで得られる達成感や満足感は、人生の生きがいにもつながるでしょう。
2.働くことの意味が分かるのはいつ?
多くの人が人生の様々な段階で、「働くことの意味」という問いと向き合うことになります。
1)仕事の経験を重ねる中で
社会に出て働き始めると、最初は「言われたことをこなす」という感覚かもしれません。しかし、仕事に慣れてくるにつれて、自分の仕事が誰かの役に立っている実感や、プロジェクトを成功させた達成感を味わうことがあります。このような経験を積み重ねる中で、「ああ、この仕事にはこんな意味があるのだ」と、具体的な意味を感じ始めることが多いでしょう。
2)価値観の変化とともに
時代や個人の価値観によって、働く意味は大きく変わります。かつては「会社の発展を通して国の発展のために働く」という意識が強かった時代もありますが、現代では「自己実現」や「社会貢献」といった内面的な価値を重視する傾向が強くなっています。Z世代と呼ばれる若い世代は特に、金銭的な報酬だけでなく、「意味のある労働」や「自己成長の機会」を求める傾向が強いと言われています。自分の価値観が明確になるにつれて、働く意味もより深く理解できるようになります。
3.最後に
会社や社会への貢献は、周囲からの評価や信頼となって返ってきます。例えば、会社で重要なポジションを任されたり、顧客から指名されたりすることは、あなたの能力と貢献が認められた証です。このような社会的評価は、キャリアの発展にも繋がり、自身の価値を高める対価となります。
自分の専門性や情熱を仕事に注ぎ込み、目標を達成することで、自己実現の喜びを得ることができます。例えば、新しい技術を開発して社会に役立ったり、困難な状況にある人々を支援したりすることで、「自分はこのために働いている」という強い生きがいを感じられるでしょう。これは、何物にも代えがたい精神的な対価であり、人生を豊かにする源となります。
日々の業務で感じる小さな気づきや成長の積み重ねが、やがてあなたを一人前の職業人へと導いていきます。そして、いつの日かあなたも上司となり、新しいメンバーと共に成長していく立場になるでしょう。
その時、自分が経験してきた成長のプロセスを理解していることは、きっと大きな力となるはずです。
まとめ|『使っている鍬は光る』 (東北地方の言い伝えから)
「使われている鍬が錆びずに光っている」 絶えず努力して自分の仕事に打ち込んでいる人は、生き生きとして美しいというように、たゆまぬ努力と仕事への情熱が人にもたらす輝きを表現しています。日々仕事に励む中で身につくスキルや知識、そしてそれらによって得られる充実感や達成感が、人を内面から輝かせることを伝えています。
「部下になる側から『上司を学ぶ』という、ひと足お先にコラム」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからのみなさんの新しい世界でご活躍をお祈りいたします。

藤野紗衣(医療ライター&薬剤師:東北大学卒)
『働き方改革や働くことの悩みについて発信しています!』