~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」
第4回:『上司』にも『上司』がいる!~2人の関係から学ぼう~
~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」
みなさん、こんにちは。
卒業が近づいてきたみなさんと「これから出会う『上司』を考えよう」というコラムも4回目になりました。
今回は上司を別の角度から見てみます。実は上司もその上の上司から見れば、部下なのですよ。
上司の「部下としての側面」を観察して、上司への接し方を学んでいきましょう。
第4回:『上司』にも『上司』がいる!~2人の関係から学ぼう~
1.上司が、自分の上司とコミュニケーションを取る姿
普段はあなたに上司の顔を見せているAさんが、その上司にあたる方(Bさん)とどのようなコミュニケーションをとっているか観察してみましょう。2人の間の距離の持ち方や応答の方法など、参考になる点がいくつもあるはずです。
2人の間の業務上のコミュニケーションは、効率よく情報のやりとりを行うことを目的としています。
言葉遣いや表現は意識的にコントロールされ、強調すべき部分・省略してもよいところ・繰り返される箇所など、お互いに培ったスキルが随所に反映されています。
たとえば会議が始まるまえの5分間。
あなたの上司(Aさん)はその上司(Bさん)にあいさつするだけではなく、このわずかな時間に簡単な意見交換や情報共有をしてはいませんか。重要な件については触れることなく、それでいて知っておいた方が良いような話などをしていることでしょう。
また、AさんとBさんの表情や声のトーンにも注目してみましょう。
フォーマルな場では終始誠実な態度、廊下などでの立ち話では慎重さはあるけれど親しみを込めた口調を使うなど、場面に応じて対応していますね。その場に適した対応は、ビジネスコミュニケーションの重要な要素です。
2.上司が、自分の上司に日々の報告や相談している姿
あなたの上司(Aさん)はきっと現状報告だけでなく、問題点への対応策や今後の展望まで準備して報告していることでしょう。
想定される質問への回答も用意しており、考え方の要点をうまく説明できる準備もしているはず。
切り出すタイミングについても考えています。
重要な判断を仰ぐ際、「今のタイミングで相談すべきか」を慎重に見極めているでしょう。
また、報告や相談の優先順位。緊急性の高い案件は「即座に」報告し、定期進捗報告は決まった時間にするなど、相手の時間へ配慮した報告をしています。
問題が発生した場合には、通常報告するだけでなく、自分なりの解釈や解決策を考えた上で相談する姿勢も参考になるでしょう。
時には意見の違いがあっても、組織の方針として決定された事項には従い、その実現に向けて真剣に進む態度も参考になるでしょう。
主張すべき時、相手の意見に耳を傾ける態度。きっと手本になるはずです。
3.上司が、自分の上司との打ち合わせの準備をしている姿
当然のことながら、上司もまた、「上」からの評価を意識しながら仕事をしています。
特に重要な提案や報告の前には、念入りに準備しています。
データの裏付けが適切かどうか吟味し、会社の方針や目標とどう統合しているのかも慎重に確認しているでしょう。
資料を準備している姿やプレゼンの組み立てなど、彼(Aさん)の思考回路を追走するだけでも、現在のあなたには足りない『何か』が見えてくるはずです。
例えば、承認を得た後の実行計画や、否決された場合の代替案なども準備しているでしょう。
このような綿密な準備は、プロジェクトを成功に導くために大切な要素なのです。
このように、組織の中での振る舞い方や仕事に対する姿勢はあなたの上司(Aさん)とその上司(Bさん)との関係に注目すると、別の角度から気づきが得られます。
将来、あなたが上司になったときには、きっとこの経験が生きてきますよ。
まとめ|上司の「上司への接し方」をあなたも真似してみよう!
上司の「上司への接し方」を観察し、真似ることができれば、あなたも一人前の社会人。ただ簡単に同じようなことはできませんよ。彼だってもあそこまでになるのに、努力を重ねてきているのですから…
~学ぶは真似る(まねる)から~
https://www.nlpjapan.jp/cando-nlp/4898/
第5回は「部下の心得?どんな考え方や態度でいればいい?」をお伝えします。

藤野紗衣(医療ライター&薬剤師:東北大学卒)
『働き方改革や働くことの悩みについて発信しています!』