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夕食会・午餐会感想レポート

平成26年10月夕食会「ブラックホールはどこまで解明されているのか」

夕食会・午餐会感想レポート

10月10日夕食会

10日の二間瀬敏史教授のブラックホールに関するお話は、小生が関心を持っている分野なので面白く拝聴いたしました。しかし教授のお話は、多次元の事象を三次元の人間に説明するむつかしさを感じさせるものでした。
このような科学の最先端の知識を、一般の人々に伝えるのは意義のあることですが、お話される側としては、もう一つ手ごたえが感じられなかったのでないかと思われました。
だが300人程度の人々のなかの3~4人は、きわめて理解力の高い人もおられるはずです。そのような方の為にもう少し専門的なお話もあったほうが面白いのではないかと思いました。例えば、ブラックホールがなぜ蒸発するのかという理論、太陽程度のブラックホールの蒸発に10の100乗年かかるという理由、また物質がつぶされていって、クォークになりひもになり、さてその先はどう理解すべきか、などと言ったことであります。
最先端科学の理論は一般聴衆にとっては、難しく理解しがたいとは思いますが、何かが心の中に残るものです。日本は基礎研究に力を入れなければならないので、このような啓蒙的講演で、一般的社会人そして小生のような老人の意識が変革していくのは意義のあることであると思いました。

(東大・経済、五十嵐 信之)


 ブラックホールについては高校生時代に東京天文台森本雅樹教授(当時)の「星の一生」を読み、超新星爆発の関連で興味がありました。それから40年以上経過し、二間瀬教授のブラックホールの理論と観測結果についての講演が、とても新鮮に感じられました。
1.ブラックホールの定義
事象の地平線をもった時空の構造そのものをブラックホールと定義され、数学的にはリーマン幾何学でいうところの特異点に相当することに納得しました。
2.ブラックホールの観測
現在ブラックホールは間接的に観測されているが、近い将来電波望遠鏡巨大干渉観測や重力波観測により直接観測でき、宇宙進化の解明につながることを期待したい。日本の観測活動(天文台、科学衛星、国際宇宙ステーション)は国際的に貢献するだろう。
3.ブラックホールへの旅行
コンピュータ・シミュレーションによるブラックホールへの宇宙船旅行は本講演の目玉で、視覚的に分かりやすいもので、大人ばかりでなく子供達の興味を湧かせる内容であった。
4.加速器による実証実験
CERNの加速器でミニブラックホールを検証可能であるが、短時間で蒸発してしまうという。本格的なブラックホール実証実験が2020年代に東北地方に建設される国際リニアコライダーで実施されることを期待したい。

(東大・工、上野 次郎)