関西茶話会
「第60回関西茶話会」が開催されました

令和7年10月4日(土)午後2時半から、京都大学楽友会館において、京都大学大学院人間・環境学研究科 教授 山村 亜希 先生を講師にお迎えし、「地図から読む地域の歴史―歴史地理学による身近な地域の景観史―」という演題で、講演会を開催しました。
山村先生の専門分野は歴史地理学で、特に鎌倉・室町・戦国・江戸期の城下町、港町、宿場町などの都市の景観史を研究テーマとされていますが、今回の講演では、京都大学周辺の吉田地区の新旧地図を読み解くことにより、地形や歴史上の位置づけ、また京都と近江を結ぶ旧街道との関係、鴨川の氾濫原との関わりなどについて、当時の地図をもとに実例を紹介されながら解説をされました。また、読図(地図を読む)という手法が立地や景観から現在を捉え直し、空間、地域、場所を通じて人間社会を読み解くという興味深い説明が併せてありました。
講演の最後には、景観の重層性、多様性の視点から、地域の景観が過去から現在に至る長い歴史の重なりの上にあり、当該地域における都市計画やコミュニティの形成など、未来に向けた街づくりに繋がっていくとのお話をされ、講演を締めくくられました。
また、講演の終了後に行われた講演会参加者との質疑応答の時間においては、参加者からの多様な質問が多くあり、山村先生は非常に丁寧な説明をされ、今回の関西茶話会は盛会裏のうちに終了しました。
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講演会風景
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質疑応答の様子