関西茶話会
「第58回関西茶話会」が開催されました

令和7年4月19日(土)、京都大学楽友会館において、京都大学大学院人間・環境学研究科の教授 中嶋 節子 先生を講師にお迎えし、「京都の別荘群と近代和風建築・庭園 ―京都大学清風荘・南禅寺界隈を中心に― 」という演題で、講演会を開催しました。
中嶋先生のご専門は、都市史、建築史、文化財保存で、都市空間と景観をめぐる歴史について、建築、自然、居住の視点から研究をされていますが、今回の講演では、京都大学が所有する唯一の文化財建造物である「清風荘」と国の名勝となっている庭園の歴史的背景などについて、各種の史料や画像を使用し解説されました。
近代における別荘文化に関しては、日常生活をベースとして避暑地に多くの別荘がつくられた背景や使用目的による類型事例による各種の別荘についての説明があり、全国各地に点在する別荘地の紹介がありました。また、南禅寺界隈の別荘群についても、伝統建築や庭園としての視点から詳細な解説がありました。
清風荘については、西園寺公望公の別荘となった歴史的経緯や建築及び庭園に関わった近代を代表する名工や庭師の紹介、また各種の画像による解説がなされ、現在の京都大学における再整備に至るいきさつや整備状況に関する説明がありました。
中嶋先生は、新たな文化的用途や地域の文化的系景観として引き継がれている別荘のあり方については、当該別荘が使用されながら継承されていくことが重要である旨を述べられ、講演会を締めくくられました。
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講演会風景
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質疑応答の様子