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『20代のQOL ~いまを充実 & 5年後も充実~』
第6回:20 代後半は「変換期」~気持ちの揺らぎに備えるには

みなさん、こんにちは。
学士会に憧れる桜蔭会会員、メディカルライターとして活動する SayuReeです。
さて、QOLについてのメールマガジンもいよいよ今回で最終回めでたし!と終わりたいところですが、人生にはまだまだ試練があるのも事実。
これからも試練はあるけれど、いまのうちに備えておけば大丈夫ということで、今回は20代後半に起こりやすい「気持ちの揺らぎ」についてお話しします。

第6回:20 代後半は「変換期」~気持ちの揺らぎに備えるには

1.20代後半は揺らぎやすい?

25歳といえば、キャリアは思い通り、自分で描いてきた未来予想図に向け動きだしていると手ごたえを感じる頃かもしれません【これは自分の感想】。

25歳くらいになると年齢的には若いけれど、完全に若者としては扱われなくなります。
逆に一人前の大人として見られることもまだ少ない【これは他人の意見】。

自分では「まあ80点くらい(結構やってるね)」が、他人からは「(まだまだ)40点くらい」。
思い描いていた生き方と肌で感じる他人の評価が乖離していきます。
問題なのは、意欲的な人ほどこうしたジレンマを強く感じて、不安や葛藤を自ら増幅させてしまうという点です。

さらに、平均寿命の長期化=人生100年時代の現代では、25歳とは100年における4分の1。
残された75年間という期間を過剰に意識して、老いていくなかで安心して生活ができるか不安に駆られる人は増加しています。

このような、「20代後半から30代にかけての『幸福の低迷期』」は『クォーターライフクライシス』と呼ばれています。2000年代初頭から浸透し始め、アメリカやイギリスでは一般的な概念として広まってきました。

『クォーターライフクライシス』の解説はこちら

2.クォーターライフクライシスとは

クォーターライフクライシスを迎えると、友人や同級生の仕事でのポジションや収入、恋愛や結婚、出産など、学生時代ではあり得なかった生活環境が気になりだします。
「自分の人生はこれでいいのか?」、「友人のような道に進めば、今はもっと良い生活をしていたかもしれない」、「周囲の成功に比べて、自分はまだまだ」などと、悩みが増えてしまうのです。
このクライシス≒危機の背景には実害を伴う事件や事故があるわけではなく、『幸福の低迷期』はあなた自身が作りだす虚像かもしれません。けれども、虚像であるために対処が難しいという側面もあります。

3.20代後半の揺らぎへの備え方

地震が起こること(揺れている)と被害を受けること(けがをする)の間には、事象としては差異があります。振動を察知したあとで安全確保のために何をすべきか、私たちは繰り返し示唆を得ています。
あなた自身のなかで生まれる「揺らぎ」についても、事前に対処方法を知っておく意義は高いと思います。
いろいろな方法がありますが、私の経験からも特に有効だと思うものをいくつか紹介します。

1)友人や家族に相談する
自分でモヤモヤと悩むより、信頼できる相手に相談するのが一番。
人生の先輩やメンターに話すことで、その道を通った立場だからこそのアドバイスがもらえることもあります。同じ道を通った仲間として、微力ながらお役に立てるなら、私も相談に乗りますよ。

2)周囲との比較をやめる
「自分は自分、他人は他人」。
勉強や受験は常に競争社会を生きるため、つい他人と自分を比べがちになりますが、大人になったらほどほどにしたほうが楽です。同じ道を通っても同じようには進みませんからね。
そう考えると、自分と他人を比べる時間がもったいなく感じられることでしょう。

3)人生計画書を見直してみる
第3回目のメールマガジンでお話しした人生計画書。
私はは気持ちの揺らぎがあるたびに、また開いたり見直したりしていました。
そうすると他人との比較ではなく自分に意識が戻るんです。
ちなみに人生計画書は、最初に書いた通りに進める必要はなく、タイミングごとに変えても構いません。
その時に感じたこと、閃いたこともエッセンスに入れて、今後の人生をふくらませてくださいね。

4)新しい経験をする
いつもお世話になっている先輩の言葉に、「頭で考えていたら、その範囲での行動しかできない。だから経験を大事にしなさい」というアドバイスがあります。
特に悩んだ時には、知らない土地に出かけたり新しい本や音楽などに触れたりと、未知のフィールドに飛び込むのがおすすめ。
「ああ、こうすれば良かったんだな」「今までのパターンではこんな考えはできなかった」と発見が多いですよ。

5)揺らぎに備えるためのおすすめ書籍
読書の価値は七大学卒業のみなさんなら十分に理解できると思います。
ページをめくることで、自ら考えながら筆者と対話できていれば、大きな支えになりますよ。

『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』(ジム・クリフトン/日経BP)

『10年後もワクワクできる20代の未来改造計画』(小山龍介/東洋経済新報社)

『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(スティーブン・R.コヴィー/キングベアー出版)

もうひとこと

全6回のメルマガにお付き合いを頂きありがとうございました。
今回の連載でお伝えしたかったことは、ただひとつです。

『みなさんのQOLを大事にしてください』
-日常生活や社会生活のあり方を自らの意思で決定し、生活の目標や生活様式を選択できること
あなたが身体的、精神的、社会的、文化的に満足できる豊かな生活を送ること-

またどこかでお会いしましょう!

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