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『“いつか”のための準備コラム ~『婚活』とは? そのまえとあと~』
第1回:なぜ「婚活」なのか  ~婚活が生まれた背景・社会の変化~

みなさん、こんにちは。
かつての日本では、結婚は「待っていれば自然とできるもの」でしたが、時代とともに社会の仕組みや価値観が大きく変化し、いまでは「自ら行動してつかみ取るもの」へと変わりました。
就職活動と同じように、結婚活動も自分の人生を主体的に切り開くための前向きなアクションとして受け止められる時代です。

本コラムでは、人生設計のひとつの考え方として「婚活」に関するいくつかのポイントをおさえつつ、どのように「婚活」と向き合っていくか一緒に考えてみたいと思います。第1回目として、なぜ「婚活」という言葉が生まれ、必要とされるようになったのか、その背景を見ていきましょう。

第1回:なぜ「婚活」なのか  ~婚活が生まれた背景・社会の変化~

1.「婚活」という造語が生まれた

婚活が必要とされるようになった背景には、社会構造の変化があります。

まずあげられるのは、日本全体における晩婚化と未婚率の上昇です。
統計によると、初婚年齢は年々上がり続け、さらに50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合(いわゆる「生涯未婚率」)も上昇しています。「結婚しない人生」が珍しくなくなりました。
「結婚=当たり前」という時代が過去のものとなり、個人の意思と環境次第で結婚の可否が分かれるようになりました。

その晩婚化の大きな要因の一つとして、「出会いの機会の減少」があげられます。
核家族化や都市化の進展によって人々のつながりが希薄化し、地域や親戚を通じた紹介や職場での関係構築が難しくなりました。いわゆる「結婚のお膳立てシステム」の急速な縮小です。

さらに高学歴の方々には、特有の事情もあります。みなさんは、キャリア志向が強く、専門性を磨き、責任ある仕事を任されることが多いでしょう。それは大きな強みであり、婚活市場では高く評価される要素(いわゆる「学歴」「収入」といった安定感)でもあります。しかし逆説的に、忙しさや環境の特殊性が「自然な出会い」を妨げることも少なくありません。

こうした背景から登場したのが「婚活」という言葉と行動様式です。

2.「婚活」という行動様式

かつては、「結婚=幸せ」という図式が強く、未婚者への社会からの圧力が感じられる時代がありました。しかし現代では「結婚は必須ではない」「自分の価値観に基づいて選べばよい」という認識が広まっています。

結婚は義務ではなく選択肢であり、実際に『選択』をするには積極的・自発的な行動が必要という発想の転換が起こりました。ただ待っているだけでは結婚の機会は訪れないので、情報収集や自己分析、出会いの方法の検討を行うこと=「自ら動いてつかみ取る」という活動を、婚活と称しています。

また、結婚を望む人の中には「出会いがない」「どう動けばよいか分からない」と悩む声も多いのが実情です。このため、婚活を支えるあらたなビジネスが開発されるようになりました。本来は
「結婚を希望する者が結婚相手を見つけるための主体的な活動」が婚活の原意ですが、関連サービスの利用をもって婚活と呼ぶこともあります(主体性は少々薄れますね。システムに翻弄されるなどの弊害も)。

3. 婚活を人生設計に組み込む時代へ

2「婚活」という言葉の裏には、現代社会特有の環境変化が隠れています。
結婚をする・しないにかかわらず、この変化を知っておくことは、自分の人生設計を考えるうえで大きな意味を持つはずです。

結婚について考えることは、実は「これからの人生をどう歩むか」をデザインすることと同じです。あなたの人生を主体的に切り開くための前向きな行動として「婚活」を捉えてみましょう。

まとめ

1)「結婚は必須ではない社会」になった。晩婚化・未婚率上昇が背景。
2)出会いの場は減少。高学歴キャリア層ほど自然な出会いが難しい傾向。
3)計画的に情報収集・行動するために新しい行動様式「婚活」が広まった。

次回は、実際の婚活事情について、リアルなデータをもとにお伝えします。

楠本 美由希
婚活ライターとして、大手結婚相談所の婚活コラムや婚活戦略ブログを多数執筆。あらゆる婚活サービスの検証と利用者インタビューをもとに、婚活に悩む方を全力で応援するリアルな情報をお届けしています。1児の母。

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