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『知っておこう“人事”~法律から実務まで~』
第2回目:働き方はどのように規定されているの?

みなさん、こんにちは。社労士ライターの安森です。
やすもり社会保険労務士事務所の代表として各種メディアで発信しています。
前回は“働き方が大きく変化している”状況をお伝えしました。

第2回目 働き方はどのように規定されているの?

社労士事務所の代表として、私の個人的な姿勢としては24時間勤務体制です。
事務所を大きくしていくためには、代表が先陣を切って獅子奮迅の活躍をする必要があります(笑)。
けれども事務所のスタッフに24時間勤務を強いるわけにはいかないので、
“やすもり事務所”でも就業規則を定めています。今回はこの「働き方のルール」にフォーカスします。
会社で働くうえでも、独立される際にも大変重要ですので、しっかり確認していきましょう。

1.就業(労働)時間

あなたの会社の1日の就業時間は何時間ですか?
法律上の上限は1日8時間(週あたり40時間)ですが、これより短く設定されていることもあります。
また、会社と働く人(労使)の間で協定があれば、残業は原則月45時間・年360時間まで可能となっています。
ちなみに国家公務員の1日の勤務時間は7時間45分と定められています。
残業時間は民間と同じく月45時間/年360時間ですが、忙しい部署では月100時間・年720時間とされています。
本省勤務の方は毎日終電まで・場合により徹夜あり(!)という情報もありますが、ルールとしては一応そういうことのようです。
社労士的にはNGな発言ですが、ルールと運用が両立するのが日本の社会。
どう行動するかはあなたが決めるとして、ルールはおさえておいてくださいね。

2.始業と終業

どこの会社でも始業と終業の時間が定められていて、その時間になるとチャイムが鳴るような職場もあります。
特に日本のカイシャでは始業時間厳守の圧が強いですよね。
但し、たとえば規程上は9時~17時30分としていても、コアタイムを決めて始終業時刻を調整できる
フレックスタイム制が導入されている会社も多いのではないでしょうか。 
朝活で有名な伊藤忠商事では、なんと朝5時からの勤務開始が認められているということです(しかも朝食付き)。
メリハリのある時間配分で自己責任感も高まりますし、なによりプライベートと会社生活が両立する可能性が高まりますよね。
 なお一般的に、管理職には残業という概念がありません。
連日の長時間労働があたりまえの職場では、「課長になったら手取が少なくなった(課長手当<いままで得ていた残業代)」という冗談もあるほどでした。
その代わりに管理職にはそれなりの裁量が与えられることになっていますが、課長だから自由に労働時間を決められるかというと、現実には難しいようです。

3.休日と休暇

「国民の休日」という言葉があるとおり、あらかじめ定められたお休みの日を『休日』と呼んでいます。
会社が独自に設ける休日としては、土曜日や年末年始(例:12/29-1/3)などがあります。
これに対して会社の営業日に、働く人の都合などでお休みにする日や時間を『休暇』と呼んでいます。
「今年のあなたの有給休暇は10日」などの通知があったはずです。
ちなみに、付与された有給休暇日数以上の休みをとることを「欠勤」と呼び、
月額給与の減額や人事考査上の減点となることがあります(日本の企業では特に「侵すべからざる掟」として扱われるので注意)。
休暇を取らない=頑張っているという理不尽な評価があった時代には考えられないことですが、
2019年の法改正により、『従業員に年間5日以上有給休暇を取得させることが義務付けられ』ました。近年では大企業の有給取得率は60%を超えたとの報道もあります。

法定休暇だけでなく、各企業で設ける「特別休暇」はさまざまな制度があるので、以下のサイトを参照してみてください。
【参考】 休暇の種類(日本生命):週休三日制の考察もあります
https://www.nissay-biz-site.com/article/qtzhbd2o33

まとめ

「働き方のルール」は会社によりそれぞれ。
どうしてそういう決まりなのか、実際にどのように運用されているのかを知り、
みなさんの活躍に役立ててください。「シン・人事の大研究」 人事パーソンは何を学び、どんなキャリアを描いているのか?

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