「誰も教えてくれない!新社会人のコンディショニングのヒミツ」
第4回:自分でストレスをチェックしよう!
みなさんこんにちは。
医師の佐上徹(さがみとおる)です。
テーマごとにコンディション作りのヒントをお知らせしています。
読者の方から「朝食を中心として目指す好循環」に関して質問を頂きました。
『理想のサイクルを生み出すための注意点やヒントはありますか?』
私からのコメントはこのページの後半に掲載しますので参考にしてください。
第4回:自分でストレスをチェックしよう!
そろそろ、5月も後半。緊張感がほぐれてきたころは調子を乱しやすいです。
意識して整えましょう!
前回は朝食の重要性についてお話ししました。食事はストレスケアと密接な関連があります。今回は社会人生活で避けられないストレスについて考えてみましょう。
ストレス源とストレス反応を分けて考える
「ストレス」という言葉は漠然としています。周囲の人間関係や悩み事といったストレス源と自分の心身に降りかかるストレス反応に分割して考えてみましょう。
ストレスは長期間にわたって蓄積すると健康に悪影響を及ぼします。ストレス源から自分に降りかかるストレスが過度になると、心身のストレス反応(身体的な不調や気持ちの変化)を引き起こします。
心身のストレス反応にはどんなものがある?
ストレスが過度にかかると、体に不調が出ることがあります。
- ✓ 頭痛、腹痛、吐き気、めまい、下痢、便秘、動悸、じんましん…
- ✓ 疲れが取れない・倦怠感がある・だるい
- ✓ 眠れない(寝付けない、夜中・早朝に起きる、悪夢)
- ✓ 食欲がなくなる(1日1食で済む、など)
- ✓ 過食になる
- ✓ 生理痛が重くなる、生理が不規則になる
- ✓ 意欲や集中力が落ちる
- ✓ 楽しみごと(趣味オフプライベート)が楽しめない
自分がストレスを感じているサインを見逃さないよう、毎日のモニタリングを欠かさないようにしましょう。
社会人の最も大きなストレス源は?
それは「人間関係」でしょう。上司、先輩などとうまく付き合っていかなければいけません。今まで皆さんは優秀な学生で親や教員から言われた通りに勉強・研究をすればそれが正解で、大きな挫折や失敗をしてきていません。学校生活での勝ちゲーム・パターンは組織では通用しないかもしれません。
挨拶・返事をする・メモを取る・約束を守る、といった基本的なマナーを含めて、周囲から信頼されるために「生き方上手」を目指して行動するしかありません。
相手も人間ですので、それぞれの「思い」で行動しています。相手の「思い」を理解して、初めて自分の「思い」が理解されるものだと思っておくのが健全です。
入社から3か月ぐらい経つと、職場や上司が「合わない」とおっしゃる新入社員の方が出てくるのが通例です。
しかし、そもそも職場も上司も合わないと考えてみるのはどうでしょうか。「合う」ことを当然と考えるから、「合わない」ときの不満が大きくなるのですが、自分から合わせるためにどうすることが望ましいか、という観点で眺めてみるのがよいかもしれません。
もし、何かがうまくいかないとき、自分のカラダとココロがどうなりやすいのか、自分で観察する習慣・マインドを持っておくことが望ましいと思います。
まとめ:自分のストレス源とストレス反応に気づく社会人を目指そう!
次回は、食事・睡眠やコミュニケーションの重要性についてお話しします。
佐上 徹(医師・学士会会員)
佐上医師への質問・コメントなどお待ちしてます!
『佐上先生に訊いてみよう』
5月8日(水)に配信の「第3回目:朝飯前!朝食を取って職場へ!」について、会員のMさんから質問を頂きました。
Mさん:
前回の配信では「朝食を中心として目指す好循環」のお話を伺いました。
うまくいっているときにはだいたいうまくつながり、ひとつつまずくと次のステップに影響するというのは、よくあることだと思います。
佐上:
コメントありがとうございます。
日々の体調、天候、人間関係、仕事の成果など、
自分の力ではうまくコントロールできないことも多く発生すると思います。
しかし「フィジカルのコンディションが整っていれば
メンタルの問題やモチベーション低下は大きくならない」というマインドに基づいて、
生活していくのが大事なのではと個人的には思っています。
生活習慣を整えるのは、自分の力でコントロール(やるか、やらないかを自分で決断実行)できる部分なので、
ルーチンとして確立しようとしているものを実行すれば、自己肯定感も高められるのではないでしょうか。
少し別の話ですが「毎日ストレス決算主義」ということを唱えている心療内科の医師もいます。
日々のできごとの中には、ネガティブなこと・ポジティブなことがいろいろありますね。
それを毎日振り返り、ネガティブが多いならば、自分でポジティブを増やすことで、
帳尻を整えて、「毎日の決算」をプラスにして終えるというような考え方です。
(癒やし・お笑いの動画を見る、風呂に入るとき少し贅沢な入浴剤を入れるなど)
ポジティブを増やさないで長い期間経過してしまうと、
大幅に赤字になってしまうので、
取り返しがつかない事態は避けたいものです。
「あまりきっちりしないほうがいい」ということに関しては、
「◯◯しなければならない」という義務感でルーティンを捉えるのではなく、
「□□をすれば私はちょっとずつ自分が上向く」として、
決めたことを全部でなくても1つでも達成できればOKという考え方や、
失敗したとき・疲れたときは自分を甘やかすことを優先にやるという考え方
でも良いように思います。
うまくいくときは良いことが重なり、うまくいかないときには悪いことが重なる
というパターンは誰にでも起きているはずです。
「泣きっ面に蜂」みたいな状態で、これは理屈では説明できないですが、
多くの人が経験するからこそ格言・ことわざとして受け継がれていると思います。
慶應義塾の前野先生(幸福学)の研究成果によれば、
「なんとかなる、ありのままに、やってみよう、ありがとう」というマインドを持っている人のほうが
幸福度が高いというようなことがあるようです。
うまくいかなかったときでもこの言葉を思い出して
新しいことをやってみるのがよいのではないでしょうか。
直接的なお答えになっていないかもしれませんが、
参考にしていただければと思います。
他にも質問・コメントなどお待ちしています!