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学士会メールマガジン

No001号 2003/1/1 配信分


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★★★ 学士会メールマガジン No.001             
★★★                2003年1月号     http://www.gakushikai.or.jp 
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いつもメールマガジンを購読頂きましてありがとうございます。

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◇ INDEX
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[1].学士会メールマガジン創刊の辞
[2].夕食会・午餐会の予定
[3].学士会ニュース
[4].レストラン・ホテル・宴会部からのご案内
[5].学士会館同窓会情報[七大学関係の同窓会]
[6].会報ピックアップ[學士會会報NO.659(昭和30年4月号)より]
[7].会員からの随筆・論文投稿コーナー
[8].今月の一冊
[9].学士会館割引クーポン券


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        ● 学士会メールマガジン創刊の辞 ●

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学士会メールマガジン創刊にあたって
                       学士会 事務局長 鎌田敬士

このたび、学士会メールマガジンを発行することになりました。
学士会は会員倶楽部ですので、会館のご利用や会報の配布、メールマガジンへの
ご投稿は会員の方に限っておりますが、本会をより多くの方に知っていただくた
めに、このメールマガジンは会員だけではなく、会員以外の方にも配信提供して
いきたいと考えています。

学士会は、東大、京大、東北大、九大、北大、阪大、名大の卒業生であれば、誰
でも入会し会員になることが出来ます。このメールマガジンを通して学士会のこ
とを知っていただき、一人でも多くの方が本会にご入会して下さることを心から
願っています。

また、会員の方には、ご自由にご投稿、ご希望、ご意見を下さることを期待して
おります。そして、このメールマガジンが会員相互の交流の場として、或いは
新しい出会いを育む土壌になれば本望であると考えています。

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           ● 夕食会・午餐会のご予定 ●

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◆ 夕食会 1月10日(金) 黒田 篤郎氏(経済産業省資金協力課長)
◆ 午餐会 1月20日(月) 堀田  力氏(弁護士・さわやか福祉財団理事長)


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         	   ● 学士会ニュース ●
    

    ≪2003年より会報が年6回に変わりました!!≫
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學士會会報838号(2003年1月会報)を発行しました。今号ではNHK海外特派員でタ
イ駐在中の榎原美樹さん、エッセイストの岸本葉子さん、元日本航空勤務で『図
で考える人は仕事ができる』が話題の宮城大学教授久恒啓一さんらにご執筆頂いた
ほか、京大名誉教授の日高敏隆さん、日本経済研究所会長の小粥正巳さん、DNA
チップ研究所社長の松原謙一さん、駐日インド大使のアフターブ・セットさんの
講演録を掲載。そして、「文学館だより」には作家の三浦朱門さんに、遠藤周作
文学館をご紹介頂いています。


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           ● 夕食会・午餐会のご予定 ●
  

         ≪会館改装に伴い、サービスも充実!!≫
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◆ 1月13日(月・祝日)10:00~18:00学士会館にてブライダル・フェアを開催しま
  す。

◆ 学士会館分館でも結婚式を承っています。東大でレストラン・ウェディング
  はいかがですか?

◆ 今月の学士会館同窓会情報(七大学関係の同窓会)

  11日--京大経済学部同窓会
  15日--九大法学部同窓会
  18日--東大電気18年会
  19日--北大歯学部同窓会      
  21日--赤門剣友会
  22日--東京キタン会(名大経済学部)
  24日--京大東京工化会
  25日--東大三日会
  31日--北大工学フォーラム&懇親会
  31日--東北大ウォーターズクラブ


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        ● 今月の会報ピックアップ ●

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┃□┃ 東 大 の 思 い 出
┃□┃ 辰 野  隆
┃□┃ 學士會会報NO.659(昭和30年4月号)より抜粋
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 僕は明治四十一年から大正二年までの八年間、東大の学生として──寧ろ居候
として──浜尾・山川両総長時代をすごしたのである。當時、法学部──法科と
称した──は四年制であったが、一度落第したので、五年間沈殿の手間をかけ、
而もびりつこけで、辛うじて卒業したものの、如何に世間が今よりのんびりして
いたとはいえ、尾席卒業者には、如何なる官庁でも会社でも採用する義侠心を持
っていなかったから、やむを得ず、改めて文学部──文科と称した──へ入学し
て──学士入学は無試験であったから、フランス文学科を択んだのである。当時
のフランス文学科一年級は僕一人であった。二年級には、豊島与志君と新城和一
君がゐたが、三年級には学生がゐなかった。而も、豊島、新城両君は屡々学校を
休むので、僕は唯一人で担当教師のエミル・エック先生の講義を聴かねばならぬ
日も幾度かあった。つまり、生徒一人で先生を雇っているようなもので、贅沢と
云えば贅沢だし、フランス語の勉強には頗る好都合だったが、夏の午後の時間に
は、往々眠くなっても、一人では居睡りも出来ず、睡魔を払いのけるのが困難だ
った。そういう時には、僕はねむ気を覚ますために息を止めた。三十秒、四十秒
となると段々苦しくなり、五十秒になると、眠ってはゐられぬ程緊張して目が覚
めて来るが、その代り、顔がまっ赤になるらしい。するとエック先生が僕の顔を
見て、《ケ・ス・ク・ヴ・ザ・ヴェ?》(どうしたのだ)と訊ねるのだが、まさ
か、居睡り退治をしている、とも答えられずに、《ス・ネ・リャン!》(何でも
ない)と答える他はなかった。暫くすると、また睡くなる。また息を止める。さ
ういう芸当を数回繰返しているうちに、どうやら睡魔も退散するのであった。
 法科の五年間は、法律の勉強が身につかず、文学畑の書物ばかり耽読していた が、文科に入学してからは、此処で怠けては、自分というものが失われると覚悟 して、相当に努力した。こんどは、三年間一度も落第せずに、どうやら無事に卒 業したが、クラスは僕一人なのだから、首席で同時にびりでもあった。  法科の五年間は、僕に取っては、生涯の空白であった。法律の如何なるジャン ルにも興味を持てなかった。公法も私法も、総論も各論もなかった。そのくせ、 当年の法科では、日本民法の起草者である梅謙次郎、富井政章などいう立派な学 者が未だ健在していたが、どの講義も一向面白くなかった。後に、リオン大学に 遊んで、その昔、梅・富井両秀才がこの大学に学んだ偉材であったことを知っ て、自分が法科の学問を疎かにしたことを思い出した次第である。  今から昔を振りかえってみると、浜尾・山川両総長時代が帝国大学の全盛期で もあり、同時に日本帝国の全盛期でもあったように思われる。両総長とも忠君愛 国の士で、学問を重んじ学者を愛した罕に見る人格者であった。浜尾は慈母の如 く山川は厳父の如し、と謂われていたが、慈母の如き浜尾に鉄石の背骨が備わ り、厳父の如き山川にあふるゝ涙が湛えられていた。  三大節とか運動会とか柔剣道の大会の後で浜尾総長や山川総長の挨拶の辞を聴 くのが我々のたのしみだった。浜尾総長の挨拶は常に出たとこ勝負だった。予め 何を言うべきかなどと考えたことは恐らく一度もなかったろう。或時、彼は最初 の一句に「之を要するに」と言ったことがある。「之を要する」には、それ以前 に言わなければならぬ相当の内容を前提とするのに、冒頭から「之を要され」て は、 聴く者は何の事やら判る筈がない。それにも拘らず、彼の胴間声と無準備、八方破 れの談話に耳を傾けて我々はたのしんだのである。彼は如何なる会合でも、最後 に必ず直立して天皇陛下万歳! 東京帝国大学万歳! を唱えるのが吉例であっ た。彼は、或時、東京帝国万歳と言ったことがあった。我々は東京帝国などとい う小さな帝国があることを其の時始めて知って吹き出したが、さういう間違い も、浜尾総長らしい、作らぬ愛嬌として珍重されたのである。青山胤通博士(当 時の医学部長)などは、浜尾総長の演説ぶりを高く買って《是れ是れ、これに限 る》と言って悦服していた。  浜尾に比べると山川の演説や挨拶は、極めて簡潔で、底に鋭いひらめきがあっ た。軽い東北なまりが残っていたが、やゝ細みのバリトンで、静かに語る裡に も、腰に秋水の横われるのを感じさせた。少年期に白袴隊に加わる覚悟をきめな がら、齢のいとけなさから、本意なくも加わり得なかった意気は死ぬまで消えな かった。彼は或日、述懐したことがあった。「自分は人爵も富も欲する者ではな いのに、今日の生計にさして困りもせず、爵位まで頂いて、恐れ多いことである が、もし伊藤・山県が今なお存命してゐたなら、恐らく枢密院の席も爵位も授け られなかったらう」と。彼が曾て、伊藤や山県が国家の大権を補佐する重臣であ りながら、動もすれば、花柳の巷に出入して、その素行に慎みを欠くのを堂々と 攻撃して、彼等の怒りを買ったことが一度ならずあったからであった。  山川は罕に見る愛妻家であった。固り夫婦の間は古武士とその妻との如くで あったが、妻の死に当って、亡き妻の胸に額を当てて、その名を呼んだのを目の 当たりに見た僕の母は、《真に貴い涙であった》と繰返して、僕等兄弟に語り聞 かせた。                                             (東大名誉教授) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━          ● 会員からの随筆・論文投稿コーナー ●             ≪皆様からの投稿を大募集!!≫ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― このコーナーでは、会員の皆様からの投稿をお待ちしています。 イベントなどの紹介記事から、身の回りの出来事を綴ったエッセイ、旅行体験談 など、何でもご自由に投稿してください。メールマガジンに相応しく、学士会会 報とはまた違った気軽な内容の文章を希望しています。特に若い年代の会員から の投稿を心からお待ちしています。掲載数、文字数には限りがありますが、奮っ てご投稿ください。 投稿については、下記URLより書き込み可能です。 ≫≫ http://www.gakushikai.or.jp/ ≪≪  なお、封書による投稿も受け付けています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                 ● 今月の一冊 ● ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 『東京駅の建築家 辰野金吾伝』 ◆ 東秀紀・講談社・2002年刊 今月の「会報ピックアップ」で掲載した辰野隆の父、辰野金吾の伝記。唐津藩の 下級武士の家に育った幕末時代から、上京し工部大学校、英国留学、東京大学建 築科教授を経て、日銀建築、東京駅建築と歩む軌跡が、明治期の日本の近代化と 重ねられつつ、綴られる。金吾も学士会会員で、金吾が亡くなった際、本書でも 生涯にわたって金吾との厚い友情が交わされる曽禰達蔵(三菱合資会社本社技 師)が、追悼文を學士會会報(当時は学士会月報)の大正八年五月号(NO.375)に寄 せている。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       ●「学士会館改装記念 Winterキャンペーン実施中● ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 【レストラン・ラタン】クーポン券プレゼント! 平成14年11月にレストラン・ラタンが改装されました。 ついては、新装開店を記念してクーポン券をプレゼント致します。 --- キリトリ線 -------------------------------------------------------- ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■     学士会館クーポン券     レストラン・ラタン10 % OFF     本券1枚で1名様有効           会員番号入力欄:____________________________                        有効期限 2003年2月末日 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ --- キリトリ線 -------------------------------------------------------- =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= このメールはMSゴシックなどの等幅フォントで最適にご覧いただけます。   お送りしております学士会メールマガジンの再配信、及びホームページ等への 無断転載はご遠慮くださいますようお願い致します。 ┏━◆お問い合わせ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 社団法人 学士会   ◆電話番号:03-3292-5933 ◆メール:mailto:kaiin-ka@gakushikai.or.jp ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 〈登録・配信停止はこちらへ〉 http://www.gakushikai.or.jp/mailmag/regist_cancell.php 〈学士会公式サイトはこちらへ〉
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