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~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」
第3回:『上司』も理想の上司像を目指している

~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」

みなさん、こんにちは。
卒業が近づいてきたみなさんと「これから出会う『上司』を考えよう」というコラムも3回目になりました。
今回は「上司の心の中」について考えてみましょう。
上司はどんなことを考えている?

第3回:『上司』も理想の上司像を目指している

1.実は『上司』も上司になろうと努力している?

フランスの哲学者のボーボワールの言葉「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」をご存じの方も多いでしょう。
あたりまえですが、上司も最初から理想的なリーダーというわけではありません。
新入社員が時を経て、期待される役割を担うべく上司になったのです。

上司も、かつては今のあなたと同じように、「上司はどんな人間なのか」考えていたことが想像できます。
部下を持つようになってからも、かつて憧れた上司の背中を思い出しながら、自分なりのリーダーシップを模索する日々があったはずです。
ひょっとすると「上司になったらやるべき50のこと」のようなマネジメント本を読みあさることも…

2.上司の役割とは?

上司の役割とは「組織の目標達成のために、具体策を立て、実行、達成すること」です。
自身の経験やさまざま事例(もちろん失敗も成功も)を通じて蓄積された知識・ノウハウを基に、最適解を導いたり、適切なアドバイスを行ったりしています。

さらに、上司には「部下の育成」という重要な役割もあります。
時には部下の特性に合わせて育成方法や管理方法を考える必要もあるでしょう。
実は多くの上司が、部下との関係に気を配りながら仕事をしています。

あなたの振る舞いや言動が上司の対応にも影響します。
つまり、あなたの行動が次のアクションや展開を導き出す関係にあるともいえます。
この視点に立てば、上司へ接し方も変わってくるのではないでしょうか。

3.「部下を育て、そして自らも成長する」って本当?

管理職は目標達成という結果を出すために、部下が正しい考え方で判断し、自らの行動を自身で決定できるように育てていかなくてはなりません。

ビジネスマンの正しい判断に必要な要素として大きく3つの柱があります。
(1)「知識」・(2)「スキル」・(3)「価値観、行動様式」。
2番目までは教えられるが、3番目が難しいと言われています。

なぜなら、価値観や行動様式は机上の学習だけでは身につかないものだからです。
これらは日々の業務における判断や行動の積み重ねを通じて、時間をかけて形成されていきます。

例えば、「顧客第一」という価値観を言葉で理解できていても、実際の現場で目の前の利益と顧客満足のどちらを優先するかという判断に直面したとき、瞬時に適切な選択ができるかどうかは別問題です。

また「報告・連絡・相談」の重要性を理解していても、どのタイミングで、どくらい詳しく行うべきかは、その組織の文化や状況によって大きく違います。
このような暗黙知は、上司の背中を見て学ぶしかない部分が大きいのです。

「価値観や行動様式」を伝えるには、まず、上司自身がそうしたものを身に着けている必要があります。
だからこそ上司となるためは「自分に正しい価値観や行動様式はあるか」という自省が欠かせません。

正しい価値観と考え方、自省…ひとの上にたつためは非常にストイックでいる必要がありそうですね。
極端ですが、トップは孤独とも言われます。

だれでも自信の成長のためには、自らを常に磨いていなければなりません。


まとめ|だれもが努力して上司になろうとし成長し続けている。

今回は上司の心の中を考えてきました。上司の心の中を察すると、接し方も変わってきます。
同じ所属チームでともに影響しあう相手だと思うと、あなたにとっての重要性がさらに高まるのではないでしょうか。

~教うるは学ぶのなかば~(孔子)
https://imidas.jp/proverb/detail/X-02-C-05-3-0001.html

第4回は「『上司』にも『上司』がいます。部下としての側面から学ぶ」をお伝えします。

藤野紗衣(医療ライター&薬剤師:東北大学卒)
『働き方改革や働くことの悩みについて発信しています!』

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