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~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」
第2 回:データから見える上司との関係

~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」

みなさん、こんにちは。
卒業が近づいてきたみなさんに
「これから出会う『上司』を考えよう」というコラムをお届けしています。

前回は『現代の職場は基本的にチーム。チームの一員としてあなたは?』をお伝えしました。
今回は「データから見える上司との関係」です。
チームの一員になるためにどうしたらよいか考えてみましょう。

第2回:データから見える上司との関係

1.上司とトラブったり、不満を持った人たちはどうしているの?

働く人の多くは上司に関する悩みを抱えているようです。
では、上司との関係に悩んでいる人たちは、どのような選択をしているのでしょうか。

転職理由ランキング(20代)を見てみましょう。
「人間関係が悪い」「尊敬できる人がいない」
「会社の評価方法に不満があった」「社員を育てる環境がない」などを、約半分の人たちが「転職理由」にあげています。
「上司との関係がうまくいかなかったのでは?」と想起させるものが多いですよね。
〔ちなみに「給与」「将来性」「労働時間」などがその他の大きな理由〕

もしあなたが、上司へのアプローチ方法を間違えて、しなくても良い転職をするのなら、それは大きなマイナスとなるはずです。
自分の心がけや努力次第で対処できることは、しっかりカバーしていきましょう。

2.上司との関係がまずいと転職に至る理由

もう少し掘り下げた調査では、上司との関係をこじらせて転職に至ってしまうのは、単なる人間関係の悪化ではなく、職場環境の本質的なところまで及んでしまうことが問題の本質だと指摘しています。

たとえば、成長につながる仕事を任せてもらえない、
仕事に対して十分フィードバックがなく改善のチャンスが得られない、などということが考えられます。
誰にとっても必要な経験や情報を遮断されてしまうのは大きなストレスです。

またこのようなことがあると、他の人間関係へも影響してきます。
チーム内の他のメンバーとの間に微妙な立場の違いが生れてしまうので、チーム内のコミュニケーションがうまくいかなくなり、メンバーからの
サポートが得られない、孤独感が強まってしまうなんてことも…

あまり考えたくないことですが、負の連鎖はあなた自身の精神状態へも影響するかもしれません。
新しいことに挑戦する意欲なくなる、出社すること自体にストレスを感じるようになる…

ネガティブなことばかり書いてしまいましたが、トラブらない方が良いことは明らかです。

3.では、上司にはどうアプローチすればよいか?

現代=『消費者の行動が多様化し、
AIなど高度なデジタル技術が進展する時代へと向かう過程』で、上司と部下の関係も当然変化していくものと思われます。

ただし、実際の職場では「上司とあなたの関係」はあなた自身の振る舞いが大きく影響します。
そうした前提で、新入社員が上司との関係をうまく構築するには、どのようなことに注意すべきか考えてみましょう。

(1)まず仕事への真摯な姿勢は必須です。
「別の方法でした方が良いのではないか」、新入社員のあなたが考えると、効率の悪い手法に見えるクセのある指示も、その背景にある上司の意図を理解しようと努めましょう。

(2)きっとそこには意味があるはずです。
特に初めは、少々疑問があっても上司の指示には従い、結果を出すことで信頼を得ることが賢明です。
上司の指示の意図を理解し、自主的に考え、提案できる人材へと成長することが、長期的には信頼関係形成につながります。

(3)自分のために報告と相談をきっちり。
積極的に相談や報告をして、より手厚いサポートと次の仕事のチャンスを引き出しましょう。
失敗しても学びの機会として扱ってくれたり、ミスを防ぐためのチェックポイントを教えてくれたり、といったことが期待できます。

(4)上司も人間です。
口数は少なくて、物静かだけれど、内面に秘めた熱い思いを持っている…なんていう上司もいるかもしれません。
そのような場合も、二面性を理解するようにしましょう。
表面的な反応の少なさにガッカリせず、むしろ上司の専門分野や興味のある話題について、質問や議論を通じて深く関わり、信頼関係を築くのです。


まとめ 上司を理解しようと努め、積極的に関わり信頼関係を作ろう

データから上司との関係を見てみました。上司との関係構築はとても大切です。
上司との関係を良好なものにするように努め、積極的に信頼関係を築きましょう。

~逆境よし、順境よし~(松下幸之助)https://bookvinegar.jp/558/

第3回は「『上司』のみなさんも理想の上司像を目指している」をお伝えします。

藤野紗衣(医療ライター&薬剤師:東北大学卒)
『働き方改革や働くことの悩みについて発信しています!』

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