文字サイズ
背景色変更

関西茶話会

「第55回関西茶話会」が開催されました

青井 伸也 先生 青井 伸也 先生

6月8日(土)、中央電気倶楽部にて、大阪大学大学院基礎工学研究科 教授の青井伸也氏を講師にお迎えし、「歩くとは?-不安定性から読み解く歩行の原理-」との演題で、「第55回関西茶話会」を開催しました。

多様な環境で優れた適応能力を示す生物の歩行に着目することにより、ヒトの二足歩行からムカデのような多足歩行まで、モデルの作成と優れた運動機能を示すロボットの開発について述べられました。
ヒトは四足歩行から二足歩行へと進化し、左右の脚を交互に動かすことにより歩くことが出来るようになった。ニホンザルは四足歩行の動物であるが、訓練により二足歩行することも可能であり、ヒトの二足歩行の起源を理解するための格好のモデルとなっている。ムカデのような多足歩行では歩く速度に応じて蛇行していく現象が見られるが、多足ロボットにおいても速度が大きくなると体軸に蛇行が生じるという同様の現象が確認できる。身近な例としては、勢い良く放水する時のホースの蛇行(振動)があると紹介されました。
質疑応答においては、整形外科医の方から実際の現場からの質問があり、青井先生からはシンプルな数理モデルを理解できていないと、新たな要素(詳細)を加える時に説明ができなくなるので、まずは基本のシンプルな数理モデルが大切であると強調されました。