~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」
第5回:部下の心得?どんな考え方や態度でいればいい?
~ ひと足お先にコラム ~「部下になる側から『上司』を学ぶ」
みなさん、こんにちは。
卒業が近づいてきたみなさんと「これから出会う『上司』を考えよう」というコラムも5回目になりました。
今回は、社会人として必要な「部下としての心得」について、具体的な例を交えつつ紹介していきます。
第5回:部下の心得?どんな考え方や態度でいればいい?
1.最近の『上司』は「Z世代にひやひや」
近年は上司の側でも、自身の経験や知見がどのように受け止められるのか確認しながら、新しい世代の新しいメンバーとの関係づくりに試行錯誤しています。
あなたの上司にあたる方々は、「察する文化」「会社への忠誠心」「仕事優先」などの価値観に少なからず影響を受けています。
だからこそ、若い職員を迎えるにあたり、「いわゆるZ世代の新入社員の価値観はどのようなものか」などと、思案を巡らせています。
ワークライフバランス・多様性・公平性など、Z世代が重きを価値観の存在を認知しながらも、これまで培われてきた組織の文化や慣習とどのようにすり合わせていくか考えていくのも、上司の役割のひとつです。
このため、前例のない「多様な価値観の再構成」という課題を担いながら、手探りで個々の部下と向き合っています。価値観どうしのはじめての遭遇という構図は、上司の側からみても部下の側からみても変わりません。

2.部下としてはどういう心持ちでいれば良いか?
それでは上司と向かいあうときに部下のあなたがどんな心持ちでいれば良いか考えてみましょう。
1)ひとりの人間であることを理解する
上司にも感情があり、時には疲れていたり、プレッシャーを感じていたりします。
また、上司自身もさまざまな立場の人間、自分の上司や同僚、取引先などの間でバランスを取りながら仕事をしているのです。このような状況を理解したうえで、適切なタイミングで報告や相談をして、より良好な関係を築きましょう。
2)ノウハウのリソースとして捉える
上司の経験や知識は、組織に適した貴重な財産です。
例えば、困難な案件への対処方法、顧客との関係構築の仕方、組織内での調整の進め方など、実践的スキルを学ぶ機会は日々たくさんあります。上司の仕事ぶりを観察し、その背景にある考え方や判断基準を理解できれば、あなたの成長につながります。
3)グループ/チームの先導役として観察する
個人の価値観を大切にしながらも、組織の目標や方針を基準に行動しましょう。
あなたにどのような役割が求められているのかを考えて、他のメンバーとの協力体制を作ることが重要です。心持ち(Why)・アプローチの仕方(How)など、場合分けをしながら考えると分かりやすいかもしれません。

3.あなたの成長は上司にもプラス
部下の成長は、上司の成功にとって非常に重要な要素です。上司は、部下を育成することを通じて、チーム全体の成果を向上させることが求められます。優れた上司は、部下の能力を最大限に引き出し、チーム全体の力を高めることで、組織の成長を促進します。
部下の育成のためには、単にスキルや知識を教えるだけでなく、部下のポテンシャルを最大限に引き出し、組織全体の成長へとつなげていく必要があります。このためには、部下一人ひとりの能力や特性を理解することが重要になります。つまり、あなたのこと知ろうとする上司の行動は、あなたの成長につながる第一歩となります。
また、部下が自律的に働くことができるよう、自ら考えて行動できる環境を整えるためにも、細かい指示を敢えて控え、最低限のチェックとフィードバックに徹することもあります。
距離感が縮まったり、突き放されたり、上司との関係に戸惑うことがあるかもしれませんが、上記のような力学が裏で働いている可能性もあります。あなたの成長は上司にもプラスになるだと信じて行動してみましょう。

まとめ|上司も人間、学ぶ姿勢を大切に、組織の一員である自覚を持つ
社会人として必要な「部下としての心持ち」について、具体的に紹介してきました。この心持ちと適切なアプローチ(第4回)は、あなたの行動の指針になりそうですか。

四海兄弟(しかいけいてい)『論語―顔淵』
真心と礼儀を尽くせば、世の中の人々と(兄弟のように)分かり合える。
最終回となる第6回は「仕事とは?そしていつかあなたも上司に」をお伝えします。
藤野紗衣(医療ライター&薬剤師:東北大学卒)
『働き方改革や働くことの悩みについて発信しています!』