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いまこそ『BX』について学ぼう ~社会変革のあらたな視点~
第6回目:グレーバイオとは?BXで廃棄物を再資源化

いまこそ『BX』について学ぼう ~社会変革のあらたな視点~

みなさん、こんにちは。
次世代のコア技術の解説記事を各種メディアで発信しているライターの鈴木サトです。
本コラムでは、BX=「生物の力を借りて、社会や暮らしの質を向上させる」取り組みについて紹介しています。

第6回目:グレーバイオとは?BXで廃棄物を再資源化

1.おさらい~BXとは?~

BX(Bio Transfromation)は、バイオ技術を用いて社会や経済を改善していく取り組みです。
エネルギーや食糧問題、健康・医療といった分野を生物の力を借りて変えていきます。
そして、BXの取り組みは分野ごとにホワイト、レッドなどで色分けされています。
色による分類は便宜的なもので、経団連が始めた日本独自のものです。

2.グレーバイオは再資源化の取り組み!

グレーバイオはバイオ技術で廃棄物を再資源化させる取り組みです。
再資源化のプロセスは、土壌や水質改善にもつながることから、地域経済のサステナビリティにも貢献します。

3.グレーバイオが変革するのはエコシステム

他のカラー施策(ホワイトやグリーン、ブルーバイオなど)では、積極的に資源を獲得して商品開発を進めます。
しかし、グレーバイオの焦点は、生活や産業から自然排出された「廃棄物」の再資源化です。
市場競争を第一にするのではなく、エコシステムの改善を優先させます。

1)リサイクル
みなさんが毎日出す生ごみを、バイオ技術によってエネルギーや飼料に変えます。
生ごみは脱脂・乾燥、発酵プロセスを経て飼料になります。
廃棄された穀物(トウモロコシや麦など)からは、エタノールが生産できます。
ホワイトバイオの成果と重複しますが、グレーバイオが利用するのはあくまで「廃棄物」です。

2)土壌改善
廃材から生産されたバイオ炭によって、植物の成長環境をサポートします。
バイオ炭は枯れ木や籾殻の再資源化を進めるとともに、CO2の地中固定化にも貢献します。

3)排水処理
産業に使用された汚水は、環境負荷を十分に低減させてから排水する必要があります。
そこでグレーバイオでは、微生物による化学物の分解や固定化を進めます。
汚泥の焼却コストを減らすだけでなく、CO2排出削減も期待できます。

4.日本が参考にすべきスウェーデンのグレーバイオ!

生ごみをエネルギーに変換する取り組みは、スウェーデンで進んでいます。
すでにストックホルムで公共バスの約15%が、バイオマス由来の燃料(バイオガス)で走っています。
バイオガスの原料は、家庭や飲食店から出た生ごみです。
スウェーデンの取り組みはエネルギー資源の少ない日本にとって、参考にすべきグレーバイオといえます。


まとめ

グレーバイオを進めることで、従来は破棄されていた食品や木材などが資源として蘇ります。
再資源化は環境改善と社会のサステナビリティにつながることにも注目です。
グレーバイオでは、国民レベルでの協力が重要になります。
ごみの分別やリサイクルには、積極的に協力していきましょう。

次回は、BXコラムのシリーズ最終回となります。
次世代のビジネスに備えるうえでBXスタートアップガイドを提供いたします!
どうぞ、お楽しみに!

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