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関西茶話会

「第56回関西茶話会」が開催されました

村山 美穂 先生 村山 美穂 先生

10月19日(土)、京都大学楽友会館にて、京都大学野生動物研究センター 教授の村山美穂氏を講師にお迎えし、「野生動物保全ラボの挑戦」との演題で、「第56回関西茶話会」を開催しました。

村山先生は大学院生時代に遺伝子研究に取り組んだことをきっかけとして、解析技術・情報の進歩によって、次々と新しい扉が開く喜びを感じたことや、サル・ウシ・ウズラと研究対象は時代とともに変化してきたが、現在では遺伝子解析を通して野生動物の保全に取り組んでいることが述べられました。
動物のフン、剥がれたウロコ、羽根の軸等を採取することができれば個体を傷つけることなく調査が可能であり、野生動物の外から見えない部分のDNAからいろいろな情報を入手することができることや野生動物の保全や繁殖にも応用できることが強調されました。
 英国のスコットランドではイヌワシの保全に努め、現在では個体数の増加が認められており、日本でもそれを見倣って二ホンイヌワシの保全に取り組んでいる。ガーナ大学との共同研究では、野生動物、在来家畜の遺伝的多様性や人獣共通の感染症の研究に取り組み、在来動物(グラスカッター)の家畜化で野生動物の狩猟を減らすことにつながっていることが紹介されました。
遺伝資源を多様な研究に活用することにより、野生動物との共存を考えていく研究を進めているところですと結ばれました。