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夕食会・午餐会感想レポート

平成28年9月午餐会「消費者被害の実態とこれからの消費者教育」

夕食会・午餐会感想レポート

9月20日午餐会

この日の主題は「消費者被害・トラブルの実態と被害防止のための取り組み」並びに「消費者行政の新たな展開と消費者教育の推進」の2点でした。

消費者被害・トラブルの相談状況は、お見せ戴いた棒グラフによると2003年、2004年は架空請求が非常に多く、対策が功を奏したのかその後減少した様子ながらも、全体の相談件数は相変わらず毎年100万件近い実績となっています。

消費者トラブルは必ずしも全て相談されない可能性がありますので、本当は更に沢山発生していると考えると、消費者被害というのは大変大きな問題です。

最近の相談はネット関連のものが多く、アダルトサイトに関する架空請求やネット通販トラブルなどの他にネット接続や携帯電話などに関する契約・解約などに関するものが非常に増えているということが良く分かりました。私の家にも電話や郵便で色んな誘いがありますが、提案条件が正確に理解できなくて放置しているものが多く、講師の説明はよく納得いくものでした。

3年前には健康食品の送り付け商法、最近では年金やマイナンバー等個人情報流出絡みのものなど相談内容の多い物には変化があります。対策を打てばそれなりに効果が出ますが悪質業者や詐欺師も時代の変化を先取りしてきますので、将に“鼬ごっこ”との印象を持ちました。

消費者は、トラブルについて、自分の対処の仕方を相談する目的だけでなく、他の人が被害に遭わない為の情報提供の観点からも、消費生活センターなどへコンタクトすることが大事ということもよく分かりました。

二番目のテーマである消費者行政の展開と消費者教育のところでは、「公正で持続可能な社会実現」の為には、事業者・消費者・行政の連携協働が重要ということに尽きるということがよく理解できました。2009年に消費者庁が発足したのも、この連携協働促進の為には縦割り行政の弊害除去が必須という事だったのだろうと思います。

ケネディが特別教書で取り上げたという消費者の諸権利についても話されましたが、消費者の自立が前提だろうと思いました。その為にも消費者教育は非常に重要です。この効果を上げるには、将に事業者・消費者・行政の連携協働が大事であろうと認識させられました。

最後に私から、1)縦割り行政弊害の除去に関する具体的取組内容、2)徳島への移転問題検討の考え方の2点につき質問させて戴きましたが、丁寧且つ率直なご回答を戴き、感動致しました。

(京大・経、鶴谷 緑平)