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夕食会・午餐会感想レポート

平成26年3月夕食会「3Dプリンタの可能性と限界」

夕食会・午餐会感想レポート

3月10日夕食会

初めて学士会夕食会・講演会に行った。僕は都立病院の外科医で、特に手術する患者さんの肝臓、膵臓を3次元解析し、結果を3Dプリンターで造形した立体臓器による手術ナビゲーションの臨床研究をしている。独学で手探りの研究を進めており、3Dプリンターの専門家の話を是非聞いてみたいと思っていたため、3月夕食会のテーマが「3Dプリンター」であることを知ってすぐに申し込んだ。原理の話だと難しいかなと心配だったが、実際に聞いてみると、安齋教授の話は非常に楽しく、工学の専門家でないものが聞いても勉強になった。

安齋教授の講演から主に3つの視点を学んだ。一つ目は、3Dプリンターの歴史だ。1980年代から進められてきた研究の上に成り立っていることがよくわかった。2つ目は「作りたいもの」⇒「3D解析情報の作成」⇒「造形」、という全体の流れを把握できたことだ。自分としては肝臓膵臓モデルを作りたい⇒3D解析情報、までは到達しており、造形の部分で悩んでいることが理解できた。3つ目は5つの積層造形法を知ったことだ。それぞれ向き不向きがあり、自分のやりたいことに何が役立つか考えるきっかけになった。

質疑では、肝臓や膵臓など柔らかいものの造形をするためのアドバイスを質問させて頂いたが、その領域の専門家である東大生産研の酒井教授を安齋教授から紹介していただくこととなり、学士会夕食会が縁の望外の展開に感謝している。

(名大・医、脊山 泰治)