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関西茶話会

「第54回関西茶話会」が開催されました

山本 淳子 先生 山本 淳子 先生

4月20日(土)、京都大学楽友会館にて、京都先端科学大学人文学部 教授の山本淳子氏を講師にお迎えし、「紫式部の人と思想」との演題で、「第54回関西茶話会」を開催しました。

平安時代においては、天皇の中宮(后)や公的な職を得た女性の名前は記録されたものがあるが、紫式部も本名は伝えられていない。彼女は幼い頃に母親を亡くし父親に育てられており、大変苦労した前半生を過ごしている。友人の死、夫との死別を経験し、失意からの再生のために物語を書き留め、心の空虚を慰めることとなった。
紫式部は「源氏物語」という新しい世界を創造し、その成果で中宮彰子の女房に抜擢され、籐式部と呼ばれ、後には紫式部と呼ばれるようになり、宮中においては偏見に対し創意工夫で切り抜け、自らの居場所をしっかりと獲得していった。紫式部の結論としては、「人生はつらい、でも生きていこう」であったと結ばれました。
また、山本先生はNHKステラネットにおいて、大河ドラマ「光る君へ」をより豊かにみて役立つ「山本淳子の平安ドラマチック」を執筆されており、放映が終了されると同時にアップされるとの紹介がありました。