学士会とは

学士会について

はじめに

年頭のご挨拶

 

 

 新年おめでとうございます。

 平成二十九年、西暦二○一七年、元旦にあたり、学士会会員諸賢に正月の慶賀のご挨拶を申し上げます。会員の皆様及びご家族にとりまして今年がよい年でありますよう、年頭にあたり、ご祈念申し上げます。

 新年には誰しも今年はどうなるかということが念頭を去来します。私もこの数年何か大きな出来事が政治の世界で起こりそうな予感を抱いて参りましたが、遂に昨年、英国のEU離脱(ブレグジット)とアメリカにおけるトランプ大統領の誕生というかたちで予感が現実のものとなりました。別に具体的な結果を予見したわけではありませんが、今までの秩序に無理が来ていることを実感していたからです。世論調査が見事に外れたことからも、世界がますます読みにくくなったこと、メディアの視線に対して距離を置いてみる必要があることなど、昨年は重い課題を突きつけられた年でした。

 私にとって更に興味深いのは、米英が足並みを揃え、重要な決定をしたということです。この世界で最も長く民主政を運営してきた二国の政治に独特の先見の明があるかどうかは分かりませんが、少なくともこれまで無視できない存在感を持ってきたことは事実です。そう思って前回の揃い踏みを手繰っていくと、一九七〇年代末から八〇年代にかけてのサッチャー・レーガンの登場に出会いました。この二つの政権はそれまでの政府主導の経済体制に反旗を翻し、市場主義のイデオロギーを喧伝した政権でした。それは当時「革命」と呼ばれました。その後、世界は冷戦終結を経て市場中心主義の下にあったことは否定できない事実からしても、その揃い踏みの威力は正に先見の明にふさわしいものです。

 昨年の両国の決定に先見の明を求めることができるかは分かりませんが、経済のグローバル化と一国民主政との矛盾が先進各国で噴出し、それが両国の決断の大きな底流としてあることは改めて述べるまでもありません。昨年の両国の決定がこの矛盾に対する不満の現れであることは間違いないとしても、それが何らかの先見の明を秘めているかどうかについては懐疑的たらざるを得ません。むしろ、冷戦後の時代の第一期の終わりのシグナルである可能性は大いにあります。その意味ではこの第一期の終わりの時代がどう展開するか、これが今年の注目点になろうかと存じます。この終わりの変化のスケールがどれ程の大きなものなのか、日本も他人事だと決め込むわけにはいかないでしょう。

 理事長に就任してから半年余りが経ちましたが、会報にしろ午餐会・夕食会にしろ、取り上げたいテーマが目白押しの感じがしています。これが幸せなことかどうかは分かりませんが、歴史の動向に貪欲なご関心をお持ちの会員諸賢のご期待に応えるべく、今年も努力していく所存でおります。会員諸賢のご協力とご叱正を改めてお願い申し上げます。

 最後に改めて、会員の皆様の御健勝とご活躍を心からお祈り申し上げます。

(東京大学名誉教授・同元総長・日本学士院会員・東大・法博・法・昭40)

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