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夕食会・午餐会感想レポート

平成25年12月夕食会「日中関係の真実とその展望」

夕食会・午餐会感想レポート

12月10日夕食会

丹羽氏は、サラエボの例を出されました。 尖閣問題が戦争のきっかけになる危険性をゼロではない、とお考えになっています。
問題解決のいくつかの仕方をみな困難と論じられた後に、これしか方法はないとして話された 「タンマ」 の提案は 非常に現実味のあるものだと思います。すでに丹羽氏は安倍総理に対して、習近平主席に「タンマ」の趣旨をこめて一言でも「戦争だけはやめましょう」と声をかける機会を作るように、と言っておられるようでした。
しかし、現在も日本政府は自国の主張を変えることはありません。期限ある態度であったとしても姿勢を変えない限り、戦争のきっかけがゼロでない危険性は続くことになります。
今回の講演会が満員となったのはそれだけ関心・危惧を持っている人が多い証拠です。そして参加したほとんどの人は 丹羽氏の「タンマ」に賛成している雰囲気でした。もし今のままの状態が続きやがて万一のことが起こったら、講演会に出席して危険性を再認識した私を含めた全員に責任があることになるでしょう。 質問の時間があったのに、誰も丹羽氏の提案を自分の問題として捉える発言をしなかったのですから。
それにしても、中国(恐らく日本も)の権力ある人達の 「本音と立場上の発言との乖離」には怖ろしさを感じます。本音が陰に隠れて立場上の発言の集積が世界を動かし、それが人類を不幸に導くものだったとすれば、何とも悲しいことです。

(東大・経、小林 俊介)


講師、演題はまさに時宜を得た企画で、聴講希望は締め切られたほどの人気だった。
骨子を箇条書きにして、カッコ内に私のコメントを付す。

1.尖閣列島付近は、一発触発のリスクがある。
(現場では射たれたら射ち返すだろう。どっちが先かは迷宮入りが歴史。絶対射つなと命令することが緊急に大切)

2.中国は金太郎飴のようにトップと同じことをいう。だから日中のトップが会って、戦争はしないと宣言 することが重要。
(その通り。念のため、軍隊に絶対射つなと双方が命令すると宣言したらいい)

3.尖閣棚上げを認めた文書は、日本側にはない。
(いろいろ説がある。でもここに深入りしない方がいい)

4.尖閣問題は中断(たんま)するのがよい。
(現実的な知恵だ。中断と宣言するのは難しいだろうから、現実的にそう処理すればいい。具体的には、双方が軍事力を現場から撤退させること。これをトップ会談で決めたら、双方の利益になる。)

(東大・工、加納 剛)