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夕食会・午餐会感想レポート

平成25年11月午餐会「西郷隆盛と対抗エリートの質」

夕食会・午餐会感想レポート

11月20日午餐会

講演会に参加でき感動し満足した。その内容は次のとおり3点に集約できる。
まず、 演者の真摯な姿である。資料までも手書き作成され静かでゆっくりとした話しぶりは、落ち着いてメモを取れ凄い研究の集積であることが偲ばれたことである。
2点目は、西郷隆盛に見る資質と、それを育んだ薩摩藩の体質が当時の日本をうまく近代国家に脱皮させた背景が分かり納得できたことである。
大河ドラマ「篤姫」を見て薩摩藩に関する文献を読んだことがきっかけで、以前から同藩の自由な組織風土に関心を持っていた。その風土が、「おかしいこと」には上司といえども苦言を呈し組織の正しい方向を保とうとする「識見の高さ」に繋がっていると本講演で気づかされた。それでも反骨の西郷を使い番として登用し能力のある者を生かそうとした薩摩藩の底力を本講演中に改めて感じた。
3点目は西郷のような能力者を発見することを期待していると受講者に呼びかけられたことである。この呼びかけが一つの契機となり組織人の個性・能力が生かされるならば対象がリーダーであれ平の組織人であれ、組織力は薩摩藩の如く強化されると期待できる。
最後に、グローバル化の外圧と政権交代という内乱を経た現代日本がうまく脱皮するには各人が得意技を磨き組織の持ち場を守ることで優れたリーダーを支える「和」の姿が求められてくると痛感した。

(名大・法、髙橋 久雄)