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夕食会・午餐会感想レポート

平成21年10月午餐会「日本とクラシック音楽と私」

夕食会・午餐会感想レポート

10月20日午餐会

特有の風貌から異国人の血が混じっているものとかねがね想像していたが、ご本人の淡々とした出生由来説明から、合点がいった。
それにしても日本文化や、日本語に対する強烈な愛情を、片や日本人としての違和感を秘めながらも、淡々と語られた姿には、流石に音楽を通じての国際的な交流の経験の成果と敬意を表する次第である。事前に20余り以前に同氏の指揮、東京都響の演奏、佐藤しのぶ、井原直子、小林一男、栗林義信の豪華キャストで家内ともども「第九」のコーラスに参加した思い出をお耳にいれておいたので、そのことを話題に差し挟まれたのには恐縮した。
ご本人が語られた所によると、バレーやダンスがお好きで、指揮は格好が良いことが重要とのことであった。成程同氏の指揮は身振りが大きく華麗で、演奏者が戸惑うことが多く、その演奏会の際も、直前のゲネプロで合唱団が付いて行けず、ベテランの合唱指揮者も苦労した思い出がある。
日比谷公会堂は懐かしいホールで、過去に下谷川圭祐の見事なアリアを始め多くの演奏を聴いた記憶があり、以前はこのホールで旧制高校寮歌祭が行われていたのはご承知の通りであるが、マイクのない時代の同ホールの演奏効果を語られたのには感銘を受けた。いずれにせよ淡々とした語り口に改めて同氏の人間性を再認識した。

(東大・工、江川 隣之介)