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夕食会・午餐会感想レポート

平成27年10月夕食会「今後の日本外交~アメリカ・中国とどう向き合うべきか」

夕食会・午餐会感想レポート

10月9日夕食会

かねて尊敬申し上げている先生のご講演を感慨深く拝聴した。

戦前の日本が世界を見失い、自分を見失なってみじめな敗戦を喫したことを重く受け止めたい・・・と切り出され好感を抱いた。この歴史感覚が大切だと思う。我が国の安全保障に重要な位置を占めるアメリカはどうも「世界で例外的な国」との自負があると指摘、具体例をいくつも示された。穏健なオバマ大統領も尖閣、南シナ海への中国の進出意図は認めない。大事な友人としてちゃんと付き合うことが肝要。一方中国は抵抗出来ない所から狙って出てくる傾向がある。我が国の防衛能力はかなりのものであり「日本は侮りがたい」と思わせる姿勢が肝要。また中国も良い方向に進むと期待している。と結ばれた。

お話を伺って我が国は「専守防衛」「個別的自衛権」でやって行けると思わされたが、先生は集団的自衛権を含む安保法制を支持されているので改めてご見解を伺ったところ「敗戦後、二度と戦争はしないと堅い決意を持ってやって来ているが戦後70年を経た現在の國際情勢の中でこの程度の安保法制は必要だ。オバマ大統領より強い大統領が出てきた場合、判断を迫られる局面もあろうが我が国の真の国益、國際感覚をよく考えて臨めば良い」との答えがあった。先生の持論は理解したが国会でのちぐはくな答弁に現政権への不信があるので私自身は依然、集団的自衛権を認めない現憲法を擁護して行きたいと思った。

(東大・農、土肥 由長)


本日は、日頃関心をもっていた「日本をめぐる米国、中国との付き合い方」について、有益で貴重なお話を伺うことができました。

「日米同盟の堅持、日中協商の構築」が今後の日本の指針となるべきとのご指摘はまさにその通りと思います。米国に対しては、長い間同盟関係にあり、また比較的オープンな国柄なので情報も入り、かなりの程度国情の理解が可能となってきました。

他方、もう一つの大国である中国については分からないことが多いように思います。そもそも「法の支配」という観念が欠けているように見えますし、中国共産党が憲法よりも上位にあるという状態を聞きますと、中国は我々がいだいている国家の概念とはかなり隔たっている国のように思えます。こういう国が隣国にいて、隙あらば「尖閣」などの離島を領有しようと狙っているのは、まことに不気味であります。わが国としては、守りを堅くしてこのような企みを阻止することが肝要ですが、一方であまり過敏にならずに冷静に相手の出方を観察することも必要と思います。不気味なものは実体以上に大きく見えることがあります。相手国の内情をじっくりと見据えることが必要です。中国の社会、経済、政治の実態を地道に研究し、情報を蓄積していくことで相手への理解を深めていくことが、今後中国との協商関係を築き上げていくうえで心すべきことではないでしょうか。

(東大・法、諏訪 茂)