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夕食会・午餐会感想レポート

2019年7月午餐会「潜伏キリシタン関連遺産の文化的意義」

夕食会・午餐会感想レポート

7月22日午餐会

本日は大変貴重なお話を聞くことが出来、感謝でございます。世界遺産についての考えが一歩前進いたしました。長崎と熊本県天草地方の関連遺産群の意義を、視点をかえて見ることの奥深さを経験する貴重な機会でした。

遣欧使節団を育てた日野江城と、その隠された信仰を守り続けた村人達が、心で学び、今も引き継いでいく固有の信仰形態と文化的伝統に注目。しかも九州から始まった日本古来の神道や、従来の仏教に身を隠しつつ、日々の生活として守られて来たことに着目し、その調査を地道に進められたご苦労と、世界遺産登録の道程を考え、感動いたしました。

国の政治に翻弄されつつも守り続け、200年の時を経てなお存続しているその精神性に、日本人としての誇りを感じております。皆川達夫先生の楽譜収集の話も身近なものとなりました。ありがとうございました。

(東大・衛生 青柳溥子)


長年にわたり潜伏キリシタン関連遺産の研究にあたってこられた服部先生の話、具体的でしかもこちらの知りたい事実を詳しくお話になり大変興味深くかつ有意義でした。世界遺産登録に当たり永年ご苦労された様子がよくわかりました。

またこれらの関連遺産が世界的にも珍しい形態のものだということがよく分かりました。当時の禁制のもと激しい初期の弾圧の中で初志を貫き信仰を守り通した信徒の魂の気高さに心打たれます。

幕府の態度も初期の激しいもから徐々にお目こぼし的な緩いものになっていくのに少し救われる気がしました。

また、当時九州の諸大名がかなりたくさんキリスト教徒になり信徒名を受けていましたが、これに関連して先生にご質問したかったのですが、なぜ当時戦さに明け暮れ、命を奪い合う戦国大名がこんなに大勢キリスト教徒になったか大いに疑問です。鉄砲欲しさだったという説もあるようですが、そんな現実利益で心の奥底の深い改宗が可能なのでしょうか。

当時の宣教師の振る舞いや生活態度に深い感銘を受けたからという説もあるようです。あるいはこの新しい宗教で戦乱に明け暮れる藩や国を立て直そうとしたのでしょうか。

先生のご意見をお聞きしたかったです。

(東大・法 宮澤 明)