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夕食会・午餐会感想レポート

夕食会・午餐会感想平成25年7月午餐会 「次世代超大型望遠鏡TMTで見る宇宙:第二の地球、宇宙の一番星、ダークエネルギー」

夕食会・午餐会感想レポート

7月22日午餐会

天文学の最前線を平易に解説

面白い講演を拝聴した。内容も興味深かったし、高度の内容を素人向けに話される話術も、ユーモアを取り交ぜた話法も素晴らしかった。伝統的な光学天文学の最新事情を効率良く理解することが出来た。
ハワイのマウナケア山頂にある日本の国立天文台の望遠鏡「すばる」の8mの凹面鏡が、どのように作られ運ばれ調整され、世界最大で最高精度を実現したかが良く判った。分解能において、擾乱の無いハッブル宇宙望遠鏡に匹敵し、集光力においては当然凌駕すると聞いて驚いた。
遠い銀河は超速で後退しているので、光の波長が間伸びしてスペクトルが赤方向にずれる赤色偏移の原理の説明が無かったので、初めて聞いた人には判り難かったかも知れない。しかし宇宙誕生の僅か8億年後に当たる129億年前に発光した銀河の光を発見し、2度にわたって世界記録を更新したと は素晴らしい。
大気の揺らぎで天体からの光の波面がデコボコになり像がボケるのを防ぐために、補正するという話は聞いていたが、波面の乱れを検出しデコボコの可変形鏡で反射して補正するという具体的な仕組みを知って感動した。
マウナケア山に2021年完成を目指して30mの凹面鏡を持つ望遠鏡TMTを国際協力で建設する計画に、日本が主導的な役割を果たしていると聞いて頼もしく思った。太陽系外の惑星に生命体が存在する記しを発見したり、暗黒エネルギーによって宇宙が加速膨張しているか否かを直接観測できる可能性があるという夢多きお話をうかがった。
有意義な午餐会だった

(東大・工、松下 重悳)