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夕食会・午餐会感想レポート

平成30年7月午餐会「恐竜絶滅の経緯」

夕食会・午餐会感想レポート

7月20日午餐会

去る7月20日(金)の午餐会の講演「恐竜絶滅の経緯」を聴かせて戴きました。講師は東北大学大学院理学研究科教授の海保邦夫氏。

海保教授の説明によると、恐竜が絶滅したのは、小惑星が偶然有機物の大量に堆積しているところに衝突したことに拠るものだとのことで、ほんの少し落ちる場所が違っていたら、今の地球に住む生物はどんなことになっていたのかと考えると、何か不思議な気がしました。

約6,600万年前、現在のメキシコ・ユカタン半島に直径9kmほどの小惑星が衝突したとの事ですが、その場所が偶然有機物の豊富な堆積岩の地層だったそうです。

小惑星の衝突の場所により、煤や硫酸の量が二桁も違うそうで、直径9kmの小惑星の場合、“気温がほとんど低下しないケース”から“陸上気温が18℃低下”まであり得るというのですから、衝突の場所が少しずれただけで、地球環境生命史が大きく変わっていたのです。是も神様の悪戯なのかも知れませんね!

小惑星の衝突で発生した煤や硫酸が太陽光を遮断し、その結果地球が寒冷化し、陸上植物が枯れ、食物連鎖的に恐竜が絶滅したとのこと。水温低下と太陽光の減少でアンモナイトも絶滅したそうです。私が理由を聴き洩らしたのかも知れませんがワニが何故か生き残っているのが不思議な気がしました。

大量絶滅を起こさせる気温の15℃以上低下させるような衝突場所は10~15%とのことですが、それは地下の有機物が多い海岸付近に多いそうです。

偶然により、恐竜が絶滅した結果、今の人類の生存があると言えるのかも知れませんので、我々は決してこれを無駄にすることが無いように、地球全体のことを考えて生きていかねばと思いました。

(京大・経 鶴谷緑平)


7月20日、35℃近い強い日差しの昼に、学士会館に着いた。テニス仲間の一人を誘って、「恐竜絶滅の経緯」の午餐会に出席した。年金をもらい始めた年齢ではあるが、小学生のころ欲しかった学習図鑑を親から買ってもらった時のような嬉しさで会場に入った。

海保先生の講演は、地球に38億年前に生物が発生してから、5回ほど生物の大絶滅があったことから始まった。5回目の大絶滅が、6600万年前の恐竜絶滅である。中米のユカタン半島近くの海に巨大隕石が衝突し、直後の熱や津波などの物理的な影響のほか、気温の低下や降水量の減少などにより、陸上生物が枯れて、食物連鎖的に恐竜が絶滅したという。隕石の衝突直後、地球規模で成層圏までもすす(煤)が広がり、気温、海水温が低下したという。そのすすは堆積岩中に含まれる炭化水素に由来という。海水温の低下は、浅いところで特に著しく、10年近く続いたと推測され、数億年生存していた海中のアンモナイトが絶滅した。隕石の衝突場所が少しずれただけでも、地球環境と生命史が大きく変わるのだという。隕石落下の場所が、深い海底の大洋だったら、恐竜はまだ生きていたのだろうか。チコちゃん風にいうと、「恐竜が絶滅したのは、隕石衝突の場所が悪かったから」。恐竜絶滅と隕石落下の話が妙にさらりとわかった気がしたが、「核の冬」から学んだ話と気づき、恐ろしい前知識を持っていたことに驚いた。

先生は、恐竜の子孫とされる鳥類や哺乳類の生き残りの経緯、他の4つの大絶滅のメカニズムの解明などを今後の研究の予定にされているという。次回が楽しみである。小生、嬉しさのあまり、ムニュに赤ワインを頼んだが、次回は白ワインを考えるくらいの冷えた落ち着きを持って、午餐会に出よう。

(九大・医 窪山 泉)