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夕食会・午餐会感想レポート

平成25年4月夕食会「八重の桜・襄の梅」

夕食会・午餐会感想レポート

4月10日夕食会

NHK『八重の桜』の背景について、八重、新島襄の人生を番組制作の裏話を交えていただき、興味深く拝聴しました。明治という激動期を生きた人間の、具体的な生き様について、鮮やかに思いを致すことができました。淡々とお話された2人の生涯から、今はその背景となった心の動きや時代の精神のようなもの(日本に限らず)を知りたいと思っています。
たとえば最初に、私は八重の生涯、3ステージのうち、後半2つについて、以下の点を今後理解しなければならないと感じます。
①襄との結婚と洗礼について:夫の考え方に共感し、結婚し、洗礼するに当たり、どのような『発見』があったのか?
②看護婦活動について:この活動の心的源泉は何か。多くのキリスト教宗教団体が社会奉仕活動に献身されていますが八重の活動はキリスト教との関係でとらえるべきか?わが国の赤十字運動は、代々皇后陛下を総裁にお迎えし、宗教からは独立しています。

次に新島襄の考えです。明治という時代の求めるものと、キリスト教と大学との関係が、私の頭の中で、整理されていないことをあらためて感じました。明治という時代と大学との関係では、西周の『百学連環』の思想に尽くされています。今回お話を伺い、明治という時代とキリスト教、大学とキリスト教の関係について余り知らないことを痛感しました。

(東大・教養、勝亦 眞人)


NHKの「八重の桜」の背景をわかりやすく、かつ面白くご説明いただき、ありがとうございました。お話の中で印象に残ったのは、まず新島襄が理学士になった理由についてのお話です。新島襄が日本で初めて学士になったということは、初めて聞きました。
また、liberal arts の課程にいたにも関わらず、古典科目が不得意だったため、已む無く理学士になったというのも、驚きでした。大学の4年間をliberal arts にあてるアメリカの大学の手法は、日本の旧制高校に通じるところがあり、liberal arts の重要性を痛感致しました。
また、新島夫婦及び同志社の「寒梅」に関する話も印象的でした。敢えて風雪を侵して開く「寒梅」、笑ふて風雪を侵して開く「寒梅」の話は感銘を受けました。また江戸っ子の新島襄が京都に同志社を設立するに至った経緯も、以前から疑問に思っていたことであり、興味深いものでした。

(東大・経、千葉 道彦)