学士会同好会の紹介

短歌会

代表者名 沼沢 修
会員数 約45名
活動日 奇数月 原則として第3土曜日
場所 学士会館3F 302号室
会費 年会費12,000円
入会条件 学士会会員であれば、どなたでも入会できます。
入会方法 事前にご連絡いただき、活動日にご来館いただき受付となります。
お問い合わせ先 doukoukai@gakushikai.or.jp

  • ※お問い合わせの際、氏名・卒年・学部・電話番号を明記ください。即日ご返信できない場合がございますのでご了承ください。
活動紹介 学士会短歌会は、現在会員数45名で平均年齢は正確に計算していませんが80歳代前半と思われます。活動は、年6回奇数月に行われる歌会例会が中心となっています。会場が学士会館の会議室であるため、遠隔地の会員には毎回参加が負担になりますが、幸い短歌は言葉の芸術であるため、必ずしも例会に出席することなく楽しむことができます。今回のコロナウィルスの感染拡大時にも誌上開催によって、年間計画に支障は生じていません。
他には、年1回不定期の懇親会が開かれますが、会員の高齢化に伴い約半数の出席にとどまっています。参加者はみなさん現酒豪・元酒豪のほかに酒なしでも話の弾む楽しい人たちで、時がたつのを忘れてしまいます。
短歌会の例会は、会員がそれぞれ短歌1首をはがきで投稿します。次に、全員の投稿した歌を無記名の歌稿に取りまとめたものを会員あてに送付し、会員が5首を選んではがきで投票します。例会当日には、投稿された歌全首を作者のわからないまま鑑賞評価し、最後に得票順位表を配布します。同時に記名の歌稿集も配布され、引き続き作者に質問したり、歌の背景について説明したり楽しい議論が続きます。短歌会がお開きになった後も、有志が集まって、1階のパブでビールを飲みながらいろいろ楽しい話が続きます。
毎年11月の例会時には、年間得票順位に基づいて優秀賞と理事長賞推薦者が表彰されます。以上が当短歌会の活動の概要です。

ここで、短歌と我々日本人との関係について考察してみました。
キリスト教には「神の目から見て平等」という教義があると言います。教皇も乞食も神の目から見れば全く平等で、教皇が地獄に落ちることもあれば、乞食も天国に行けます。ただし、これは死後の話です。
アメリカの独立宣言やフランスの権利宣言では、「法の下に平等」という表現があり、これは生きている間の平等を謳ったものです。
現代日本でも「法の下に平等」が憲法にうたわれていますが、昔はどうだったのでしょうか。上智大学の教授だった渡部昇一氏は、著書「文科の時代」の中で、古代日本には「和歌の前に平等」という原理があったと言っています。
万葉集には、上は天皇・皇后から下は乞食やうかれ女までの歌が含まれています。天孫降臨の時の功績抜群と言われて、朝臣の首位を占めたことのある大伴家の家持が和歌集を編んだ時に、神と言われた天皇も、賤民以下と言われた遊行女婦の「うかれ女」まで、身分、性別、出身地などは考慮されていません。武運拙く軍に敗れて朝敵となった者の歌も「詠み人知らず」として勅撰集に撰ばれているようです。これは「和歌の前に平等」という以外に考えようがないと言っています。
和歌三神のことを考えても、住吉神社、人丸神社、玉津島神社に神様として祀られている神々の取り合わせが面白いと言えます。住吉神社には皇統につながるイザナギノミコトの子供の3人の男神、人丸神社はもちろん柿本人麻呂であるが身分は六位以下の庶民であり、玉津島明神は衣通姫という美人ではあるが允恭天皇の妾だった女性です。勅撰集の撰者に選ばれた者は必ずこの神社に参拝に行ったという玉津島神社には両側に男の神を従えて堂々と中央に女の神が祀られていて、和歌の前には人間的区別がなくなっているようです。
古今和歌集の序文の中の紀貫之が取り上げている歌で、百人一首をやる前に必ず詠み上げられる歌があります。
・難波津に咲くや木の花冬ごもり今を春べと咲くや木の花
この歌の作者は百済から来て帰化した「王仁」です。元は外国人であっても、天皇に敬意と親愛の情を持ち、和歌を上手に作れれば、差別されることなく勅撰集の序文を飾り歌の師として尊敬されています。
毎年皇居で開かれる歌会始の入選者の中にも日系の外人の名前を見かけます。最近では中学生も入選しているので、幼老の区別もないようです。
このように男女、年齢、身分、国籍などの区別なしに誰でも平等に、千年以上も続けられてきた言葉の芸術をぜひ楽しんでいただきたいと思っています。当短歌会は、新規会員の入会をいつでも受け付けています。

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